四章 幕間劇
事後処理×人間の選択×道
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ノだった稲葉山城だ。戦国の世の習いって皆が言うけど、その胸の内は穏やかではないだろう。俺達は井之口に着いた後、バイクを降りてヘルメットを脱いでから空間にしまった。
「稲葉山城・・・・いえ、今は岐阜城・・・・でしたか・・・・・」
この世界というより外史に来てほんの僅かだが、さすがに清州城が他の勢力の旗が立っていたら平情じゃないだろうな。詩乃は俺を呼ぶと、城に行く前に寄り道してもいいか?と聞かれたから俺は頷いて、井之口の街に行った。さすがに井之口にいた甲斐があってか、詩乃は迷う事もなく進んでいく。ただし歩行速度はゆっくりであった。焼き払ったのか、まだ原型を留めている家を見ていた。で、次は俺が一人で潜入してた時に、詩乃と初めて会った場所だった。
「城下に放っていた調査の者から、尾張からの間者らしき者がいるという報告がありましたので」
「あれでも忍んでいたんだけどな」
「私達には、珍しい服を着てるとの報告と田楽狭間で降り立った者の人相が似ていましたので、少々気になっていたのです」
「じゃああの時、俺がここに来なければ・・・・」
「私は一真様とお会い出来ていなかったでしょうね・・・・」
「そうなると・・・・俺が詩乃の事を知らなかったら今頃生きていなかっただろうな」
「そうですね。それよりここからだと城に近いのでそろそろ向かいましょう」
詩乃は充分井之口を見てから、城に向かった俺と詩乃。城に入ってから、詩乃の口数が少なくなる。無理もない、織田家の手に陥ちたって事を広く示すために、のぼりの数はあえて多くしている。それを見るのは、美濃の忠臣だった詩乃にとっては複雑な気分だろう。
「お、ここは三の丸か。今にしてみれば懐かしいな」
「どうされたのです?懐かしいとは・・・・?」
「いや、ここからあそこの城門を開けるために潜入したからな」
今見ると大した距離ではないな。でもあの時は暗闇だったし、暗視ゴーグルつけてたからある意味では闇討ちだな。
「・・・・どうやって?」
「稲葉山の裏から潜入した」
「・・・・手勢は?稲葉山の裏から忍び込むなど、不可能ではないにせよ、そう多くの手勢は使えないはずです。一真隊の数からすれば精々十か十五・・・」
「一真隊が五で、黒鮫隊からも五だったから、退路を確保したら八人だな」
「・・・・・・・・」
え、何その目は・・・・。呆れているな、まあ普通なら無茶だと言いたいのだろう。
「詩乃、忘れている事があるぞ。俺達の兵器だ。それに暗闇でも見える物もあったから、暗闇からの狙撃と闇討ち。それがなかったら無茶な作戦はたてまい」
「確かにそうですが・・・・。そうですね」
納得したようだが、俺だってさすがに八人だけで城は落とせない。
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