暁 〜小説投稿サイト〜
戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
四章 幕間劇
事後処理×人間の選択×道
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
言っておく」

「頼むわね一真、詩乃」

「承知致しました、結菜様」

「そうそう、こっちに来たら必ず来るから。ここも俺の家だしな」

「当たり前。寝床もご飯も用意しておくからね」

と言って詩乃を連れて、清州の街から出た。しばらく歩いてから、空間からバイクを取り出してから乗せた。俺と詩乃はヘルメットを被って、今は美濃に続く街道を走っている。いつもよりかはゆっくりだが、それでも20〜30は出てる。ヘルメットには互いに話せるようにしてあるから、俺が前を向いていても話せる。

「結奈の家はどうだった?」

「結菜様はとても良くして下さいました。お魚も美味しかったです。ですが、一発屋の焼き魚もしばらくはお預けですね。美濃に平穏を取り戻せたのは僥倖ですが、それだけが心残りですね。あと一真様の海の幸も・・・・」

「おいおい、国一つと魚一匹を秤にかけるなよ」

「美濃は本当に海の魚が食べられませんし。・・・・何より海を手に入れる事は、全ての山国の悲願ですから」

「皆そんなに魚が食べたいのか?」

「魚もですが・・・・塩と湊です」

あ、この時代の塩って海水から作るんだった。湊だって陸路よりも交易になりやすいけど、こちらは空輸が普通だったか。甲斐の武田信玄が上杉謙信と散々戦ったのも、海が欲しかったからだったな。

「昼飯は一発屋に寄ればよかった?」

「いえ、三日続けて行くのは食べ貯めするには十分かと」

「結菜と行ったのか?」

「結菜様、こんな美味しいお店を黙っていてズルいと大層お冠でしたが、やはり一真様の手料理の方がいいと言ってました」

まあ、そりゃ俺の方が絶品さ。米も味噌も違うからな。それに米は白米で、コシヒカリだし味噌も白味噌から赤味噌まで揃えてる。そういえば美濃は結菜の故郷でもあるしな、それに龍興の政治は酷かったって話だ。本人は気にしてない、って言ってるけど故郷を攻め落としたのは事実だ。いくら戦国の世の姫君として育てられた結菜だとしても、内心は色んな思いがあるはず。

「詩乃を結菜の所に預けて正解だった。その方が結菜のためでもあったと思う」

「私も同感ですし、久しぶりに美濃のお話が出来て楽しかったです」

「美濃の話か。先々代の利政さんの話とか?」

「古き良き、華やかなりし頃の昔話などもですが、美濃にいた結菜様のご友人の近況なども」

なるほどな。結菜も美濃で育ったからな。同郷の者だけで話せる会話だな。それに当時、美濃の内情も知っている詩乃の知識は、これからの美濃の立て直しにも必ず役に立つはず。で、しばらく話してると見えた見えた。稲葉山城下、井之口の街。

「・・・・・・・・・・・」

織田家ののぼりの翻る稲葉山城を、詩乃は静かに見上げる。ずっと斉藤家のモ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ