ターン35 鉄砲水と菓子屋の陰謀
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は僕の部屋の天井が見えた。どうやら、誰かが運んでくれたらしい。十代かな、なんて考えながら起きあがって。
「って、夢想!?」
「おはよ、なんだって」
そう言い、安心したような笑顔を見せる夢想。
「お、おはよう。えっと、もしかして」
夢想が運んでくれたのか、と聞こうとすると、急に彼女は時計を見てあわてたように、
「もうこんな時間、私は帰るからね、だってさ」
そう言うが早いが、ぴゅーっと走り去っていった。恩を売るどころか、こっちが借りを作っちゃったみたいだ。吹雪さんも言ってたけど、慣れないことはするもんじゃない、ってことだろうか。ああ恥ずかしい。
バレンタイン前日:Cやはりこれがないと始まらない
「夢想ー、デュエルしよー」
「清明、もう具合はいいの?だって。でもいいよ。デュエルしようか、だってさ」
これが吹雪さんからもらった最後の作戦。と言ってもやることは単純、デュエルで勝ってカッコいいところを見せるだけである。ただ、この作戦は諸刃の剣。僕がここで勝てば問題ないのだけど、もし負けたりしたらもう目も当てられないことになる。学園最強との呼び声も高い彼女相手にはかなりリスキーな賭けだけど、その分当たった時に得られるものは大きい。
だからこのデュエル、絶対負けられないんだ!
「「デュエル!!」」
「僕の先行、ドロー!」
そういえば、この先攻ドローも近々ルール改訂が行われてなくなっちゃうそうだ。ううん、僕のデッキは手札消費があんまりいいとは言えないから、かなりこれは困るんだけど。反面フィールド魔法が重複するようになったから僕と相手でお互いにフィールド魔法を使って、なおかつ相手がサイクロンとかで僕のフィールド魔法を破壊してきた場合という恐ろしく限定的な状況だけとはいえほんのちょっぴりだけチャクチャルさんが生き残る可能性も増えてきたのはよしとしよう。
まあ、今はまだ関係ない話なんだけど。
「ハンマー・シャークを召喚、そのまま効果発動。このカードのレベルを1下げて、手札から水属性でレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚!僕がこの効果で出すのはレベル1、鰤っ子姫!」
ハンマー・シャーク 攻1700 ☆4→☆3
鰤っ子姫 攻0
「そして鰤っ子姫の効果発動、召喚か特殊召喚に成功したこのカードをゲームから除外して、デッキからレベル4以下の魚族を特殊召喚する!僕が呼ぶのはレベル4、竜宮の白タウナギ!」
マイクを器用にひれで抱える黄色の鰤が左右に流し目を送りながらどこかへ泳ぎ去っていくと、そのあとを追いかけるようにどこからともなく白タウナギがふらふらと泳いできた。ううん、魚の価値観はよくわからん。あれが追っかけになるほどカワイコちゃんなんだろうか。
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