ターン35 鉄砲水と菓子屋の陰謀
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解説してくれた。
『それがさあ、清明のダンナ。実は万丈目のアニキも天上院君に花束送るんだーって張り切って注文してたんだけど、最近本土とアカデミアの間に季節外れの台風が生まれてるから船が出せませんって断られてたのよ〜』
「バ、バカ!そのことは秘密にしておけってあれほど言っただろう!」
『で、でもダンナだって困ってるみたいだし……』
「チッ……もういい、戻ってろ!見苦しいところを見せたな、とにかくそういうわけだ」
「う、うん……」
見苦しいったって別にいつもとやってることそんなに変わんないような気がするのは気のせいだろうか。いや、ここは黙っているのが得策だろう。それよりも重要なのは、花束の準備ができない点だ。しょうがない、今からでも他の手を考えるか。
「ありがとね。じゃ、僕はこれで」
「待て!」
礼を言って部屋を後にしようとすると、意を決したような声で万丈目に呼び止められた。
「………実はな、今の話にはまだ続きがあってな。バレンタイン前に届けるのは無理だが、当日にはぎりぎり間に合うらしい。といっても、在庫の関係で届くのは一束だけなんだが。だからもしよかったら、お前にも数本ぐらいは分けてやってもいいぞ、うん」
「万丈目……ありがとう!夕飯何食べたい?リクエストは最優先で受けつけるから遠慮しないで言ってね!」
小躍りしたいのをぐっと我慢して部屋を出る。ちょうど真上にあった太陽に、なんとなくガッツポーズして見せた。イエイッ!
バレンタインまであと2日:B恩を売っておくのも手段の一つ
「とはいえ、恩ねえ」
やっぱり定番としては困っているところを助ける、とかだろうか。そもそも彼女が僕になんとかできることを困ってるところなんて見たことないんだけど。
ちょっと前にワイトがあるカードだからという理由でエンジェルリフトを探してたのは知ってるけど、僕の小遣いとしての有り金全部ドローパンにつぎ込んでも当らなかった時点でこれもダメ。ちなみに夢想が買ったら1つ目でいきなり出てやんの。ああ、なんでこう狙ったカードが手に入らないんだろう。
そんな苦い思い出を噛みしめながら校内をぶらぶらしていると、曲がり角を曲がったところで偶然夢想の後姿が見えた。特にどうするつもりはなかったけど、気が向いたのでこっそり後ろをついていく。ストーカー?言いたい奴は言えばいいさ。
「…………?あ、清明だ、だってさ」
もうバレたー!?え、ちょっとまだ10秒と経ってないよどんだけ勘良いのこの人!
「や、やあ夢想。こんにちは、今日もいい天気だねアははー」
ここでどんよりと曇ってればそれはそれでいいネタになったんだろうけど、あいにく今は空の半分くらいをまばらに雲があるという正直何とも言い難い天気。うわあ、一番会話に
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