As 00 「始まりの朝」
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していることだろう。
「あぁ……今日だな」
「どうでもいいような言い方ですね」
「仕方がないだろ。俺はあの子とあまり話してもいなかったし、彼女にはもっと会いたい子がいるんだから。俺は、元気ならそれでいいよ」
「それはショウの主観でしょう。その子の思いは違うかもしれません……まあ無関係の私が口を挟むことではないのですが。それでも、最後に言った言葉くらいは言ってあげるべきだと思いますよ」
さらりと言われたが、俺の心にはぐさりと突き刺さった。
テスタロッサは俺に礼を言ってくれたが、俺は少なからずプレシアのことを今も引きずっている。それが原因で俺は、無意識に彼女から逃げようとしているのかもしれない。変わろうと決意したのだから、逃げることだけはしちゃいけない。
「そうだな……学校で会ったら話すよ」
「頑張ってください。お弁当を会話のネタにしても私は構いませんので」
「いや、一緒にご飯を食べるつもりはないから」
「……あの写真の子以外に友達いないんですか?」
「何でそうなる? テスタロッサと話すってことを話してたはずだよな?」
「そうですが、ショウの保護者代理としては気になりますので」
いつからシュテルが俺の保護者代理になったのだろうか。そんな話は俺の耳に全く入っていないのだが……そもそも、同年代の少女が保護者の代理になれるわけがない。実際の保護者よりも家のことをやってくれているけど。
「はぁ……」
「大きなため息ですね。幸せが逃げちゃいますよ」
「幸せが逃げてるからため息が出てるんだよ」
「こんなにも楽しく話しているというのに、ショウは不幸と感じているのですか?」
「不幸とまでは感じてないけど、シュテルみたいに楽しいとは思ってないから」
シュテルから返事がないことを不思議に思った俺は、視線を料理から彼女に向ける。いつもどおりの感情が読み取れない表情……だとは思うが、俯いているため分からない。
しょんぼりしているような雰囲気を感じるのは、彼女が俯いているせいだろうか。いや、こんなことを考える前に考えるべきことがある。俯かせてしまった原因はどう考えても俺だ。このままというわけにはいかない。
「あぁ……シュテル、その楽しくないって言ったけど、それは今の会話であって。基本的には君と話すのは楽しいから」
「……あぁすみません、考え事をしていたもので。何か言いましたか?」
「……いいよ別に。大したこと言ってないから、そのまま考えてて」
「そう言われると気になるのですが」
「……さっきからわざとやってる?」
「何のことです?」
シュテルと出会ったのは7月。現在が12月であるため、彼女と出会ってから今月で半年になる。一緒に生活を送ってることもあって、はやての次に親しくなっている人物だと言
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