第3部:学祭2日目
最終話『交差譚詩曲(クロスバラード)』
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夫大丈夫……。まずは女バスの打ち上げを楽しみましょうよ。」
とはいっても、皆皆からすれば元気がないように見えるのであろう。
すると、アナウンスが流れた。
『皆さま、学祭お疲れ様でしたー!
特に、先生達に内緒で休憩室の設営に回ってくれた皆さま、ご苦労様ですー!!』
「お、始まった」
呟く七海だが、次に続いたアナウンスは、きわめて衝撃的なものだった。
『実は、その休憩室にこっそりカメラを設置しておりまして、それをこっそり見ちゃおうというのが、今回の打ち上げのメインイベントだったりします』
「な……!!」
『彼氏持ちの子は、思い出を思い出すもよし、彼氏のいない子はそれを見て楽しむも良しと言うことで、さっそく放送するとしますか』
「待ってください! それって休憩室の中を映していたってことですか!?」
『ええ。甘露寺さんがおにーちゃーんって甘えてる声もバッチリと。
……あ、早いな、もう流れてる。』
スクリーンで、その映像が流される。
周りから上気する、失望とあざけりの声。
七海は、声にならない悲鳴をあげて、その場にうずくまった。
凍りついた表情でそれを見る世界。
スクリーンに映ったのは、七海と彼氏が休憩室で行為をする映像であった……。
放課後ティータイムと榊野生徒達の、合同お茶会の日。
桜ケ丘音楽室では、律と世界が向い合せで、榊野の男子生徒の写真を並べながら話をしている。
その横で、刹那・梓が隣り合わせでケーキを食べているが、光はケーキも食べずに机に突っ伏している。
「律さんって、彼氏にこだわりとかないんですか? 年上がいいとか、優男風イケメンのほうが好みとか」
「あーあー、あたしゃ別に何でもいいよ。イケていて優しくて、話していて面白い相手ならさあ」
「何でもいいというのが、一番選びづらいんだよなあ……」世界は頭をちょっと抱えながら、写真を選び出し、「じゃあこの、男バスキャプテンの宇野先輩なんてどうですか? なかなか背も高くてかっこいいし。吹奏楽部の海部もいいと思いますよ。とってもおしゃれだし。
……あ、でも海部は私と同じクラスで、ちょっと興味はあるんだよなあ……」
「おいおい、じゃあ世界、さっさと誘っちまえよ」
「そうはいかないんですよ。ちょっと心の準備がいるんです」
「そういえば」律は世界の目をじっと見つめ、「世界、伊藤のことはふっ切ったんだな」
ふっと世界の表情に翳が走った。静かな声で、
「いつまでもめげててもしょうがないし。私もまだまだ、これから高校生活を楽しむ時期なんだしね……」
「やれやれ」刹那が紅茶に口をつけながら、「学祭の後、2週間も食事がのどを通らなかったくせに」
「言わないでよー! 刹那―!!」
「あはは、ま、いーじゃんかよ。あんたになら伊藤でなく
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