話と授業
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あ自分で付けるといいさ」
その言葉と同時に蓮華は地を蹴り、一瞬で距離を詰め、勢いよく腕を突き出す。素手では在るものの、神にダメージを与える事ができる拳は、人相手には十分な武器になりえるレベルだ。しかし桜華は、それを完全に避ける。
蓮華はそこから蹴り、拳、手刀と繋げていくが、その全てが避けられる。
「―――なるほど。その年で中々の体術だ。けど」
桜華は、放たれている拳打に優しく撫でるように触れ、拳を逸らし、手首を掴み、力の向きにしたがって空中に放り投げた。
「まだ甘い」
その動作は、あまりにも自然で、無駄が無く、次へと容易に動作を繋げるものであった。
「地帝乱槌」
蓮華の真上に石柱が形成され、重力に従い落ちてくる。
「やば!」
投げられて空中にいた蓮華は落下してくる石柱を虚空瞬動で宙を走り、避ける。
そのまま落ちた石柱は地面を陥没させ、粉塵が舞う。
「地帝乱杭」
同時に桜華が一言呟き、複数の杭が形成され、発射される。
発射された杭が蓮華の頬掠めた瞬間、蓮華は杭の群れに対し、無造作に手を振るい、それらを薙ぎ払った。
「普通の格闘に持ち込んでも意味が無いから、やり方を変えるか」
蓮華の右拳に見えない力の渦が巻き起こり、蓮華はそれを距離が離れているにも拘らず殴りつけた。
放たれたそれは拳打のように桜華に向かっていった。
桜華は障壁を展開し、それを防いぐ。
「念動力とは、シンプルな異能だ。使用者次第で応用性が広がるね」
念動力を大砲のように押し固め、放つ。蓮華が即興で思いついたこれは思いのほか役立つ。だが、決定打足りえなかった。
だから蓮華は次の手札を切る事にした。
「我は敵を討つ神具を造りし鍛造者!炉に鋼を投じ、打ち、鍛え、敵を討つ刃を鍛造する者!」
聖句が発せられると同時に炎の球が現れ、それが渦を巻いていく。触れればその身を溶かすほど熱さのそれに、蓮華は懐から取り出した玉鋼を投じる。
「求め、造りしは鋭利なる刃。眼前の敵を斬る一振りの刀!」
するとすぐさま玉鋼に変化が起き、一振りの刀となり蓮華の手に飛んで行く。
蓮華が最初に殺した神ヘーパイストスから簒奪した権能は神具を造る権能。蓮華がイメージする形から様々なモノを作り出す権能。
後に賢人議会から『神具鍛造(エンシェント・スミス)』と呼ばれる権能だ。
飛んできた刀を掴んだと同時に蓮華は一気に桜華に迫る。
「地帝乱柱」
「ッ!」
しかし眼前に土の柱が現れ蓮華の動きを僅かに止め、その隙に周りに柱が次々と
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ