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一般人(?)が転生して魔王になりました
話と授業
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る逸脱者はそう言った。


『妾に神殺しになる存在を育てろと?』


『ええ。あなたほどの女神なら原石次第で神殺しにすることは出来ると思うのよ』


『断る。何故妾が仇敵である神殺しとなる存在を育てなければならない』


『良いじゃないの。それにこれはお願いよ。彼の場合だと並大抵の実力者では育てる事はできないし。
それに“鋼殺しの魔王”とか面白いと思うわよ』


『……予定なのだろう』


『ええ、そうね。決して変わることの無い未来。“彼が生まれるという未来は、既に選ばれている。”―――でも神殺しに成るか成らないかは、その後どうなるのかは彼次第。まあ、そこから先は弄られていない自由な未来なのよね』


『なんだ、羨ましいのか』


『さあ、どうかしらね』


 泉華は人を魅了するように笑いながらそう言った。

 そんな会話が彼是三百年程前の話だ。


「全くもってこの三百年程で随分と甘くなったものだな」


「―――甘くなったと言うよりかは、人間味が付いて来ているんじゃないのかと僕は思うけど」


 音も無く、気配も無く、桜華は唐突に現れた。


「何用だ、魔神」


「いや何、少し聞きたいことが在るんだよ」


「奇遇だな。妾も聞きたいことが在るのでな、丁度良いだろう」


「それは良かった。では、飲みながらという事で」


 こうしてワインを手土産とした大人同士の二次会が始まったのであった。


◇ ◇ ◇ ◇


 次の日の朝。

 蓮華と桜華は結界によって隔離された世界に居た。


「ではこれより、第一回勉強会(戦闘実習)を始めます。質問のある方は手を上げて下さい」


 と言っても蓮華しか居ないのだが。


「桜華さん。何でこんな事になっているんですか」


 朝、朝食を食べたら庭に来いと言われて出てきてみれば、こんな事になっている。疑問に思わない奴が居るのならそれはそれで凄いと思う。


「そこは先生と呼ぶように」


 ズビッシ!と擬音が聞こえてきそうな位に指を指す。ノリがいいな。


「まあ、強いて言うなら口で言うより、神殺しなんだから実戦で教えたほうが手っ取り早いのでという訳だ」


「……そっちの方が確かに早いからいいけど」


 あの四日間で経験済みである。


「実際のところ僕の魔術は色々と混ぜすぎた結果オリジナルのモノに成ったから教え難いというのも在るんだよね。だから技術は観て盗み取れ」


 瞳の色が赤く染まっていく。それと同時に蓮華の身に適度な緊張感が張っていく。


「実戦形式の何でも在り。制限時間は三十分。一日一回。勝敗の判定は、ま
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