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一般人(?)が転生して魔王になりました
話と授業
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 そうこう話している内に談話室に着き、コルクを抜き、ワインをグラスに注いでいく。

 二人はグラスを持ち上げ、ゆっくりと口に含み、味わう。


「当たりを引いてきたか」


「まあね。これ、神様と戦っている中で助けた人が居て、その人がワインの収集家だから、助けたお礼に一本貰ったんだよね」


 摘みであるカマンベールチーズの天ぷらを摘む。揚げたチーズは外はカリッとしていて中はトロトロに溶けて、美味いね。


「さて、聞きたいことがあるんだけど」


「何だ?」


 ワインと摘みを飲み食いしているアテナは満足そうに聞いてきた。


「原初異能って何?」


「―――文字通りの始まりの異能でな。この星が始まった時から存在する世界最初にして最古の異能だ」


 ワインを一口飲み喉を潤したアテナは語っていく。


「この世に存在している全ての異能は、原初異能から枝分かれした物だ」


 その事を知るのは今では神々と極一部の人のみとなった正体不明な異能。

 遥か昔から存在する異能のルーツ。

 
「十全に扱い切れれば権能と同等以上の力を発揮する規格外の異能だ。―――ただし、異能に呑まれなければの話だが」


「呑まれる?」


「言葉通りの意味だ。何せこの星が生まれた時から存在する異能だぞ。人に扱いきれるわけが無いだろ
う」


 ま、普通に考えれば無理だな。許容量を超えて破裂しそうだし。


「使えるとしたら逸脱者のような人の枠をはみ出している奴等くらいだ」


「……逸脱者ね」


 人の枠組みからはみ出た者『逸脱者』。極々稀に人という枠組みからはみ出て、何かが神々の領域に至ったぶっ飛んだ存在。

 桜華の魔術と異能然り、シリウスの身体能力然り、泉華さん然り、月華さん然り。

 彼らは神や神殺しと勝負が成立する希少すぎる存在だ。


「ま、聞きたいことは聞けたからもう少し付き合って寝るとするよ」


 肉体は神殺しとは言え十二の子供。連戦による肉体的疲労と、桜華の話しで精神的に疲れ、酒でその溜まっていた疲れが噴出していた。


「ああ、寝ていろ。聞きたい事が出来れば明日以降に聞けば良い」


「もう一杯飲んでからだけどね」


 その後、ワインを飲み干した蓮華は明日に備えて眠りについたのであった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ 


 一人残ったアテナはワインを飲みながら月を見上げていた。


『この先の未来の私の子孫となる神殺しは、私達御剣の全てを超える最後にして最強の存在。けど、それは原石なのよ。だから、戦いの神であるあなたに育ててもらいたいのよ』


 人として変り過ぎてい
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