暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
1.運命の日
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木も解っているだろう。解っていたとしても、二木は今日一緒ゲームがしたいと言ったのだ。

「……せっかく、せっかく……やっと一緒に出来るんだ。ホントに、ホントに早く帰ってくるから……な? 頼むよ……」

 二木が、泣く寸前のような顔で俺にすがるように言った。

 俺の知る限り、学校に俺以外の友達は、二木にはいない。
 それは俺も同じだが、二木はずっと自分と一緒にゲームが出来る相手を探していたように見えた。
 軽く聞いた限りでは、他のネットゲームでの知り合いも、学校にいる同じ趣味の奴とも、長くは続かなかったらしい。
 自分の行動が裏目に出て、段々と溝が出来ていって、最後には完全に他人になるのだと言う。
 だからこそ、今までで一番長く付き合いが続いた俺と、自分の趣味であるゲームをするのが余程楽しみだったのだろう。

 二木の言葉には、一種の悲壮感が籠められていた。
 だが、その二木の様子に俺は、逆にどこか暖かい気持ちになっていた。
 友達がいなかったのは俺も同じだ。
 そして、友に求められるということが、こんなにも暖かい気持ちになれるなんて知らなかった。

「……解った。そもそも今日は泊まる予定だったな。……仮想世界(あちら)で足手纏いにならないように、先に行って練習していよう」

 泊まる予定、というのは定まっていなかった、と言う意味では本当だ。
 ナーヴギアを使った完全(フル)ダイブ。これには人によって合う合わないがあるらしい。
 限りなく現実に近しいが、それでも現実ではない情景は、合わない人ならば俗に言う《3D酔い》というものになることもあるそうだ。
 勿論、慣れることで改善することもあるらしいが。

《仮想世界》、そして《SAO》というゲーム、これらに合わない場合は、泊まりはしないと決めていた。
 もし酔ってしまったら、ゆっくり慣れさせていこうという話は二木としていたのだ。
 しかし、二木の言葉を聞いて、つい泊まると言ってしまった。
 言葉を言った後のことを考えるよりも先に口が動いていた。こんなことは初めてだった。

「……東雲。 あ、ありがとな! すぐ! ソッコーで帰ってくるからよ!」

 だが、二木の元気が戻ったことを考えれば、それはけして悪いことではないと思った。
 俺は時計を見て、自身のナーヴギアをかぶって二木に言った。

「……もう、公式サービスとやらは開始したな。……じゃあ、二木。俺は先に行っている」
「ああ、最初は見ててやるから。リンク、してみろよ。あ、俺はログインしたら中央広場にいるからな。何時になるかちょっと解らないけど……」

 二木の言葉に頷き、俺は布団に横たわって目を閉じてから……その言葉を、呟いた。

「……《リンク・スタート》」

 こうし
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