SAO編
序章 はじまりの街にて
1.運命の日
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て、《SAO》ベータテストとやらが終わり、正式サービスが開始される日。
俺は二木の家に来ていた。ナーヴギアを買ったはいいが、その使い方について不安が残った為、一緒にログインしてみるという話になったのだ。
「よし、これで設定は完了。後はギアを被って『リンク・スタート!』って言うだけだぜ」
基本的に機械に詳しくない俺の代わりに色々とセッティングをしてくれた二木。
「……すまない。機械は……苦手なんだ」
「へっへへ〜のへ〜。んなことはお前の古風過ぎる家に行った時にはすでに気付いてたから無問題だぜ!」
「…………そうか」
家を見ただけで気付くとは、二木も中々やるな。
「俺の方はとっくに準備OKだから〜、後は開始時間を待つばかり! つってもあと三分も無いんだけどな〜!」
SAOの公式サービス開始は、今日の午後一時からだ。
自分のベットの上で胡坐をかいている二木は、いつもより興奮しているように見えた。
俺は、二木のベットの横に予備の布団を借りて敷き、その上に座って準備をしていた。
「あっと二分! いやあっと一分! あっと――」
二木が大声で秒読みを行っていたとき、いきなり部屋のドアを開けて二木の母親が顔を出した。
「健太! あんた進路調査票まだ出してなかったでしょ!? 担任の吉田先生から電話があったわよ! 今、整理してる最中だから持ってきて欲しいって言われたわ! 今すぐ支度して行ってきなさい!」
「――なっ!?」
二木の母親はそう捲し立てたあと、俺に向かって今の剣幕が嘘のように変わった優しげな顔で言った。
「ごめんなさいね、東雲くん。そういうわけだから、うちの子はこれから学校に行かなくちゃいけなくなったのよ……」
「……そう、ですか、仕方ありません。二木、今日は――」
そういう理由なら仕方ない。別にこれが最後の機会というわけでもなし、俺は二木にどうするか訊こうとした。
だが――
「ま、待てって東雲! ソッコー行って帰って来るからさ! そ、そうだ、お前は先にログインして《仮想体》の練習でもしとけよ! な? な!?」
二木は、焦ったように俺に言った。
「何言ってんのアンタは! 家から学校まで往復で二時間以上かかるでしょ! それまで東雲くんを一人で待たせる気なの!?」
二木の母親が言っていることは事実だ。二木の家からウチの中学校までは、電車とバスを使って片道一時間少しかかる。
ちなみに、俺の家は中学校と二木の家の丁度、中間に位置している。
今から学校に行ったとしたら、未提出の件で先生に説教を貰う時間を引いても軽く二時間。電車の待ち時間など様々な要素を入れたら三時間を越えるかもしれない。
それは二
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