SAO編
序章 はじまりの街にて
1.運命の日
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校も卒業だ。
その時点で友達は誰もいなかった。だが、三年になってしばらくしてから二木と知り合った。
二木からは、色々なゲームの話を聞いた。
その中でも今現在、ベータテストの参加資格を手に入れてからハマっているSAOという《仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム》。
今では昼休みは、ほぼ毎日その報告会と化していた。
「あ〜あ〜、もう少しでベータテスト終わっちまうんだよなぁ。く〜、今まで俺が育て上げてきたキャラが削除されちまうよ〜」
昨日のプレイの話が一段落したのか、黙々と弁当を食べている俺の横で盛大に溜息を吐きながら話を変える二木。
「……その、べーたてすと、というのが終わったら……どうなるんだ?」
うな垂れて、顔を下に向けている二木に向かって問いかける。
「……そうだよ。 そうなんだよ! そうなんどぇすよっ! 終わったら……終わったらっ! SAOの正式サービスが、始まるんですよ!」
ぐわっと顔を上げて叫ぶ二木。
俺は横目で教室内を見回した。……こちらを見て、かなりヒいているクラスメイト達が見える。
「消えるのは残念なんだけど〜、やっぱり正式サービス始まるのは嬉しいよね〜」
椅子から立ち、腰をクネクネとしながら喜びを表す二木。
俺と違って面白い奴なのだけど、何故か友達はいないらしい。
「あ、そうだ! 東雲も買いなよ! そんで一緒にやろうよ! ……な〜んて、東雲の家はダメなんだったよねぇ」
突然の、でもない二木の提案。
二木はことある毎に、俺とSAOをプレイしたいと言ってくれていた。
だが、いつもは俺は断っていた。そう、いつもなら。
「……買ってもいいが、いくら位なんだ?」
「え!?」
俺が肯定的なことを言ったために驚いたのだろう。
普段の俺は、祖父との稽古がある為、学校や食事、睡眠、勉強以外の全ての時間を稽古に当てていた。
しかし、今は違う。もう稽古のみに時間を当てなくてもよくなった。
「ど、どうしたんだ!? いつもならじーさんとの修行があるから駄目って言うのに……あ、いや、やっぱり嫌とか、そんなんじゃなくて、単純に驚いてるって言うか……」
「……もう、俺は師匠――祖父に稽古をつけて貰う必要は無くなった。……だからまあ、時間はとれる」
「へ……? い、いきなりのことで、さすがの二木さんもビックリだよ。前まであんなに頑なに拒んでたからな。……なあ、なんかあったのか?」
二木の疑問は最もだと思う。今までの俺は祖父との稽古が全てだったのだから。
俺は、その疑問に答えるべく口を開いた。
「……祖父に、免許皆伝を授かった」
俺の言葉を聞いた二木は、あんぐりと口を開けて数秒間硬直した後、
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