SAO編
序章 はじまりの街にて
1.運命の日
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イン》のベータテストやってるってこの前言ったじゃん? いやもう、ホント凄いんだってアレ! あの五感に響くようなリアルな仮想世界と、何より《ソードスキル》だよソードスキル! 自分の振るった剣がライトエフェクトで色鮮やかに輝いて敵に当たるあの爽快感は、真剣でハマるって!」
二木は、《SAO》というゲームでしたことを日々、細かく俺に報告してきた。
やれどこどこでのクエストの報酬で何を貰った。やれあそこのダンジョンで出てきたあのモンスターはこうやって倒した。やれボスモンスターに初めて挑戦したけど瞬殺された、等。
普通なら、自分もしていることならともかく、他人がした話なんか聞いてもつまらないだけだろう。
だが二木の話し方は、細部に至るまで丁寧に豊富な語彙で表現し、情景がイメージし易い話し方であったし、その時々の心情を大げさに言うので、まるで物語を聞いているかのように退屈はしなかった。
更に、俺にとってもそのゲームには少し興味深い点があった。
「あ〜あ、東雲とも一緒にプレイ出来たら良いのになぁ。そしたら俺が盾剣士の前衛〜、東雲が《槍使い》の後衛〜で理想的なタッグが組めるのに!」
二木が、なぜ俺を《槍使い》と言ったのか、それには俺の実家が関係している。
俺の祖父は、戦国時代から続く古流槍術の道場をしている。
無論、俺も物心付くか付かないかの頃より、祖父に厳しく鍛えられた。それも、少しも自由な時間を与えて貰えないほどに。
だがそのお陰で俺は、同年代からすれば高い身体能力と洞察力を得ることが出来たと自負しているし、更に祖父直伝の槍術も扱えるようになった。
二木が言うには、《SAO》みたいな《完全ダイブ》という全身の感覚を《仮想世界》で再現させて動かすようなゲームでは、本来の身体能力が高いほど上手く戦えるらしい。
実際には、元々の身体能力が高いと、《仮想体》を思い通りに動かす《イメージ》がしやすいのだという。
そして、《SAO》では仮想ではあるが、実際に剣や槍を使って敵を倒すことが出来る。
今まで習ってきた槍術を、実際に実戦で試せるかもしてないというのは、特に好戦的でも無い俺だが、やはり魅力的に思えた。
俺は、祖父との稽古故に小さい頃から友達と遊ぶなんてことはしなかったし、遊びに誘われても稽古がある為に断り続けて来た。
厳格な祖父と一対一での長年に及ぶ稽古、それに加え一度も他人と遊んだことが無いという過去のせいか、俺はあまり感情を表に出さなくなり、常に無表情でいることが普通となった。
そして、今まで祖父と家族くらいしかまともに会話をしていなかったため、自然と必要最低限のことしか話さなくなっていった。
現在、中学三年生。今年でこの学
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