SAO編
序章 はじまりの街にて
1.運命の日
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ログアウトされることを保証しよう』
……なるほど。
つまり、俺たちに本当に《この世界で生きろ》と言っているのか。
自由の為に、実際の命を懸けて戦う。
確かにそれは、ゲームという仮想の世界で、本当の意味で生きていると言えるのだろう。
『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれ給え』
その言葉に従い、俺は右手の人差し指と中指を揃えて軽く振り下ろす。
その動作で、鈴のような音と共に透けた紫色のシステムメニューウィンドウが現れた。
アイテムストレージのボタンに触れて、所持アイテムを確認する。
そして、いつの間にか追加されていたアイテムを見つけ、徐にオブジェクト化させた。
アイテム《手鏡》。
それを手に出現させた数秒後、俺を、いや俺を含めたこの場にいる全員が、一瞬だけ白い光の柱に包まれた。
その光はすぐに収まり、直後、俺はある予想をしながら右手に持った《手鏡》を見た。
――やはり、か。
そこに映っていたのは、二木と一緒に作った仮想体の顔ではなかった。
十五歳の少年の顔、しかし常に無表情なので同学年よりも少しだけ年上に見える。
現実での俺。東雲 蓮夜、そのものだった。
――ことの始まりは、数ヶ月前。
学校での昼休み、いつも通りに自分の席で、自分で作った弁当を広げていると、
「なあ、なあ、東雲、なあ東雲〜」
ウチの中学校の制服である学ランを着崩した、にやけ顔のやや痩せぎすな黒縁眼鏡の男が近づいてきた。
眼鏡以外、特に特徴も無い顔をしている、黒髪の少年。
彼の名は、二木健太。少し前、クラスメイト数人に虐められているところを成り行きで助けたのがきっかけで話すようになった。実際には一方的に話しかけられてきたのだが。
二木は、俗に言うオタクというものらしい。しかし、俺はあまり俗世に詳しくないので、そういうものなのかという認識しかしていなかった。
「……何だ」
「おいオイおいオイ、東雲さんよ。キミはい〜っつも暗いなぁ」
俺は普通に言ったつもりだったのだが、何故かいつも周りには暗いふうに捉えられる。
「……そうでもないが」
「まあ、それはいいや! なあなあ、俺の話を聴いてくれよ!」
自分が言ってきたことなのに人の話は聞かない。
知り合ってから日が経つ度に馴れ馴れしくなっている気がするが、特に怒るほどのことでもないため、黙る。
この男はこういう男なのだと思っていれば問題は無い。
「俺さ、今さ、《ソードアート・オンラ
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