After days
挿話集
妖精達の凡な日常A
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た中堅生産職がこぞってオラトリオに入団申請するのも頷ける話だ。
―閑話休題―
「特典でギルド員対象の割引もあるので好きなのを選んで構いませんよ。僕が払います」
「え!?そんな……悪いですよ」
「遠慮すること無いわ。じゃんじゃん買わせちゃいなさい」
「で、でも……っ!?ど、どちら様!?」
現れたのは長身のシルフ。
白い生地の部屋着の上に紫色のローブを羽織ったどこか気難しそうな印象を受ける女性だ。
「こんにちは、アシュレイさん。ご無沙汰してます」
「ん。久しぶりだな、セイン君。あのバカ共は元気か?」
「ええまあ……そこそこ」
SAO生還者アシュレイ。彼の世界で裁縫スキルを誰よりも早く完全習得した奇人。女性プレイヤーなら知らぬ者無しとまで言われたカリスマ的存在であり、ALOでも生産職屈指の有名人だ。
「それで、誰が奇特な方だって?」
「……すいませんでした」
「分かればよろしい。それじゃあ、お嬢さんはこっちだ」
「え?あ、はい……」
セインを冷ややかに見ながら同時にシウネーを頭の先から爪先まで観察していたアシュレイはそう言うとシウネーの腕を取って店の一角に引っ張って行った。
ちなみにそこは、かなり良いお値段がするものが並ぶ一角だったりする。
「割引、してくれるかな?」
セインは財布の中身を思い出しながらタラッと一筋の汗を流した。
その時、店の戸がチリンと音を立てて開かれる。別に客足が少ない店でも無いため、ただの新しい客だろう。セインも最初は気にしなかった。
が、ふとその姿が目に入った。
種族はサラマンダーの女性プレイヤー。膝まであるだろう艶やかな赤毛を靡かせ、白いワンピースのようなインナーに要所のみを守る質素だが高級な革素材の防具。アルンを歩けば人目を引かずにはいられないだろう神秘的な美を体現したような人が居た。
「…………?」
自分を見詰めるセインに気がついたのか、その美しい赤毛を四肢に巻き込みながら振り向いた。
「…………っ」
セインは何も見とれていた訳ではない。いや、確かに綺麗な人だとは思ったが、単純な造形の良いプレイヤーなら知り合いに何人だっている。
「―――分かっちゃうのね、貴方ほどになると」
「…………」
「嫌ね、こんな所でPKなんてしないわ。私、Mob狩り専門だし」
クスクスと鈴のような綺麗な音程でその女性は笑う。
「知ってるわ、貴方の事。あの人が話してくれた……セイン君。ALO最初の《二刀流》使いにしてかつて《|征服王《エーローヴラレ
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