第7話
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りにくちゃくちゃと咀嚼しているような音が聞こえる。
久遠の家にいた頃から、違和感があった。それは少なくとも、人間が纏う気ではない。
竜司「…(さて…この気は、まさか…)」
無言のまま、いつでも行動できるように気を配る。
そして、察知されないよう、気を隠しながらそれに近付いていく。
そいつは、暗闇の中、何かを我武者羅に貪り付き、口からは液体がダラ〜っと液体が滴り落ちる。
そしてゴクリと、食したものを嚥下する音が聞こえた。
竜司「まさか、こんな人里にも降りてきたとはな…」
そこにいたのは…
鬼「ぐぁああああああああ!」
竜司「鬼…!」
そう。
禍々しく煌く瞳に滑りを帯びた肌。歪んだ笑みを浮かべる口元に見える大きな犬歯。
そして、蟷螂の鎌のような両腕。
暗くてそれはよくわからないが、そいつは間違いなく鬼。
鬼の口からは先程まで何かを食べていたであろう、おそらく人間の、その血が滴っていた。
竜司「お前…人間を食ったのか…」
鬼「ぐるるるるるるるるる…」
当然鬼の言葉などわかるはずもないが、今にもこちらを襲いかからんとする殺気が、先程から鮮明に感じ取れる。
竜司「このまま野放しにしておくわけにも行かないんでな…ここで倒させてもらうぞ…」
だが、俺のいる場所は左右は家の壁。図体のでかい鬼と戦うには不利だし、回避も取りづらい。
なので一度距離をとり、戦いやすくする。
竜司「さて…ここなら十分広さがある…力を使うならここが適当か…」
周囲を確認し、辺りに誰もいないかを確認する。
すると、俺を追ってきたのだろう、鬼が俺に飛びかかってきた。
竜司「ふっ!」
竜司は、ギリギリのところでその攻撃を躱す。
竜司「あまいな…」
鬼「ぐるぁああああああああ」
鬼も負けじと連続で攻撃を仕掛けるも、竜司はことごとく躱していく。
竜司「でも、いつまでもこんなことをしているわけにもいかんのでな…終わらせる…」
そして竜司は詠唱を開始した。
竜司「我は刃…我は均衡をもたらす刃…故にかの敵を打ち破らん!我が名において顕現せよ!アークエネミー【ユキアネサ】!!起動!!」
すると、そこに現れたのは氷…そしてその氷が破片となって砕かれ、そして現れたのは一本の刀だった。
竜司は、ユキアネサを構える。
竜司「氷翔剣!」
そう言うと、何もない空中に氷の刃出現し、相手に討ち放った。
鬼「ぐがぁああああああああああ!」
だが、鬼も本能で察知したのだろう。俺の繰り出した氷の刃を避ける。
鬼は基本的に力任せに攻
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