72部分:70:結婚式
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笑い返し、頷く…そろそろ時間になるのだ、ザフィーラが人間形態になり、マントを持ってくれる。
「後を向け、我がつけよう」
「頼むわ」
そういって、マントを良彦に付けさせ、送り出す。
良彦は長い道を通り、聖王教会の礼拝所…今は式場だ…へと向かう。
ゆっくりと歩き、扉にたどり着く…この先は、式場、既に皆が待っているだろう。
扉を開け、踏み込む…式に招待したのはそれほど多くはない、先ほどの男性陣に、高町家一同、八神家一同、ハラオウン家一同、六課新人フォワードの女性陣に、ロングアーチのシャーリー、ルキノ、アルト。
地球からアリサ、すずか…そして、当然セプトだ。
皆が椅子に座り、楽団と合唱隊…セントヒルデの学生だろうか、子供達だ…が、音楽を奏で聖歌を歌うなか、良彦は真ん中へ歩み出る。
反対の扉が開き、純白の古風なドレス、長い梳けるようなヴェール…これは赤…に身を包んだヴィータが、はやての手を引かれ歩いてくる。
普段は三つ編みか、解いているだけの髪はしっかりと結い上げられ、綺麗なうなじが見える。
真ん中ではやてからヴィータの手を預かり、共に聖王の像の前へと歩みを勧める。
聖王教会の神父が、聖句を述べ、それぞれの思いを確認し、誓いの言葉を聞き届けると、二人に指輪を渡し、お互いに付けさせる…此処はカリムに頼んで地球の結婚指輪のくだりを入れてもらった。
そして、指輪の交換後…良彦がヴェールを持ち上げて、ゆっくりと、でもしっかりとキスを交わしていく。
皆の拍手が響き、神父の宣誓が行われ、式は終了する。
二人そろって、出口の方へと歩く、隣で一緒に歩くヴィータへ良彦が
「この先も、色々あるだろうけど、よろしくな、ヴィータ」
「あたしにはいいけど、他の人に迷惑かけんなよ、良彦」
ぎゅっと手を握りながら、その言葉に苦笑する良彦。
そのまま、後は静かに…周りからはお祝いの言葉や花吹雪などが投げかけられ、教会の扉をくぐり、少し行った所で振り向く。
「おっし、ヴィータ…レディセット!」
「おう、任せろ!」
突然良彦が叫び、ヴィータもノリノリで、ブーケを構える。
辺りの皆は吃驚して反応が遅れる、そこへ。
「ブーケ、トス!」
「ゴー!」
思い切り上に向かって投げられるブーケ、しかもしっかり身体強化魔法使用のそれは、高く上がり…落ちてくるまで暫く掛かった。
だれが取ったかは、まぁ…秘密という事で。
「良彦君も、ヴィータもいつたくらんだんや、あんな事」
と、その後はやてに聞かれるのだが、二人は
「何となくあの場で思いついた」
「良彦が、イイ笑顔うかべたから、ああした」
と、あれが即興だった
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