第七十一話
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互いに無言のまま歩を進める2人
啓一も聞きたいことは山ほどあるだろう
しかし、一度聞いたことがある手前、これ以上尋ねるのは彼には困難だった
やがて別れ道に差し掛かる
虹太郎
「じゃあ、俺こっちだから」
啓一
「あぁ…今日はありがとな」
半ば上の空で応える啓一
虹太郎
「部活って毎日だろ?」
啓一
「ああ」
虹太郎
「明日入部届出すよ。キャッチャー志望で。だからピッチャーは気が向いたら練習する」
啓一
「え?どうしてだよ?あんなに変化球持ってるのに…」
虹太郎
「俺には弱点が3つあるんだ。それを何とかしないと」
啓一
「弱点?」
虹太郎
「まず、変化量が全部少ないこと。精々使えるのはスライダーとカーブくらいだ。2つ目は潮見も感じてるだろうけど、球質が軽いこと。今のままだと、女子でも長打が打てるからな」
啓一
「そりゃあまぁ…んで3つ目は?」
虹太郎
「決め球が無いこと。投手としては自信無いんだよ、俺」
それに、と付け加えて言葉を続ける
虹太郎
「前の中学でもピッチャーとしては使えなかったからな…だからキャッチャーにしたんだ」
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