暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
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様です。

「助かった」

 私がホッとしていると、ロイクが突然私の手を握って来ました。

「ギルバート様!! さっきの円盤を、私に譲ってください!!」 

 何か物凄く必死です。訳はなんとなく分かりますが……。

「解りました。即興では無く、ちゃんとした物をいくつか贈ります」

 物凄くお礼を言われました。あの子供達の相手をしていれば、仕方が無いのでしょう。内心でロイクに、深く同情しておきました。

 さて、いよいよ群れのボスに挨拶です。と言っても、言葉が分からないなr……。

「人の子よ。先程の遊具は面白い趣向であったぞ」

「(……また、ですか)ありがとうございます」

「ほう……。驚かぬとは、なかなかに肝が据わっているな」

「いえ、十分に驚いていますよ」

 私はそう言いながら、斜め後ろに居たロイクをチラッと確認しました。……驚き過ぎて、魂抜けてますね。御愁傷様です。

「なかなかにふてぶてしいな。面白いぞ」

(私は面白くありません)と、内心で突っ込みを入れながら、話を続けました。

「そうでしょうか? 老成した魔獣や幻獣は、知能が発達し人語だけでなく魔法さえも操ります。個体数は少ないかもしれませんが、けして存在しない訳ではありません」

 私がそう返すと、何となくこのガルムが笑った様な気がします。そこで初めて、自分が名乗って居ない事に気付きました。

「おっと……、申し遅れました。私の名は、ギルバート・アストレア・ド・ドリュアスです」

 私が慌てて名乗ると、ガルムが僅かに頷きました。

「我は仲間内からは、王もしくはフェンリルと呼ばれておる」

「フェンリル?」

 私は反射的に、問い返してしまいました。幻獣・魔獣図鑑に、その名は載って居なかったのです。そしてマギの記憶では、フェンリルとは時にガルムと同一視される狼の怪物で、悪戯好きの神であるロキの長子と言われている者だったはずです。

「我が一族の中で、我の様に人語を口にする者の事だ」

 私はその言葉を理解し頷きましたが、すぐに首を横にひねってしまいました。

「それは称号であり、個体名では無いのではないですか?」

 私の問いに、ガルムのボスは一瞬動きを止め、すぐに答えを返して来ました。

「言われてみればその通りだな。我には名が無かったのか。ならばその事に気付いた貴様に、名を付けさせるのも一興か? 良い名を考えて見せよ」

 口調こそ変わりませんが、ガルムからはかなりのプレッシャーを感じます。下手な名前を言って機嫌を損ねると、噛み殺される未来を幻視するほどでした。私は冷や汗を流しながら、このガルムに相応しい名を必死に考えます。しかし、なかなかこれだと言う名前が出て来ません。意見を
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