暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
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った所為か、ワイバーン達にも威嚇されなくなりました。マンティコアの中には、顔を舐めて来る子も出て来たのです。理由は分かりませんが、ティアの挙動不審振りも酷くなって行きました。

 そして今日は、ガルム舎に行く事になったのです。ガルムの受け入れが終わり、舎の中が落ち着いたと報告があったからです。遠目に見る事はありましたが、ガルムを間近で見た事が無かったので、軽い気持ちで見物に行きました。

 ガルムの世話係は、何故か草臥(くたび)れた様子をしていました。

「ずいぶん疲れている様ですね。大丈夫ですか?」

「大丈夫です。僕はガルムの世話係のロイクと言います。先ずは注意事項から……」

 ロイクから「子供が居たら絶対に近づかない」「歯を見せない」等、最低限の注意事項を教えてもらいました。

「では、ガルム舎にご案内します」

「お願いします」

 ロイクに案内されたガルム舎は、大きな入口(ガルムが出入り可能な物)が四方に在るだけで殺風景な(ただず)まいをしていました。私はロイクを追って、そのまま中に入ります。中も殺風景で、丈夫そうな柱と藁の寝床がいくつかあるだけでした。

 ガルムの大きさは、大体2.5〜3メイル程度の様です。舎の中央に鎮座している銀色のガルムが一番大きく、4メイルと少しあります。子供も数匹いる様です。

(中央に居る銀色のガルムが、この群れのボスの様ですね)

 取りあえず基本は、群れのボスに挨拶する事ですね。私はロイクに目で合図すると、舎の中央部に歩き始めました。ロイクも私に続きます。しかしその歩みは、半ばほどで中断させられました。

「子供には近づくなと言っていましたが、子供から近づいて来た場合は如何するのですか?」

 私が聞くと、ロイクは「諦めてください」と言って、目を逸らしました。

 子供達は無邪気に『遊んで 遊んで』と、擦り寄って来ます。一方大人達からは、何かプレッシャー込みの視線を向けられました。

(私に如何しろと言うのでしょうか?)

 中型犬と大型犬の間位の大きさの子供達に囲まれ、完全に身動きが取れなくなってしまいました。子供達にあおられていると、不意に何かを踏みました。確認すると、壊れた寝床の様です。恐らく子供達が、悪戯で壊したのでしょう。

 これ以上は堪らないと思っていた私は、寝床の残骸の藁を一掴み拾うと杖を抜き《錬金》で、フリスビーをでっち上げます。そして、思い切り投げてあげました。

「そら!! 取ってこ〜い」

 ……外へ。

 子供達は我先にと、フリスビーを追いかけて行きます。それを見ていた母親らしきガルムが、慌てて子供達を追いかけて行きました。一瞬不味いかと思い周りを見ましたが、ガルム達は私達から視線を外し、くつろいでいる
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