暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
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をためながら、僅かに首を左右に動かしました。迫真の演技です。(やりますね。カトレア)

「もう……無理です。領地を富ませ、精霊を説得し、広大な領地を得て、馬鹿共の謀略を覆し、カトレアと釣り合う身分を得て、塩田の設置まで成し遂げました。それでも公爵は、認めてくれませんでした」

 私が言った物の中には、トリステイン王国の歴史に名を残す偉業が含まれています。

「公爵は初めから認める気など無かったのですよ」

 私の言葉にカトレアは、再び首を横に振りました。

「……違うわ。お父さまは、2年ぶりにギルと会えた私の涙を勘違いして」

 私はカトレア言葉を、ただ首を横に振って否定しました。重苦しい沈黙が、この場を支配します。公爵も自分の勘違いに気付いて、固まってしまいました。

「ギル。あの時の約束……」

「ッ!! ……しかし、それは」

「……お願い」

 最後の爆弾を投入です♪

「私 ギルバート・アストレア・ド・ドリュアスは、カトレアの病の原因と治療法を、生涯誰にも語らないと誓います」

 私が誓い終えると、間を置かずカトレアが誓いの声を上げます。

「私 カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、真に自らの夫と認められる人が現れたら、私の病の原因と治療法を伝え、その人の治療を受けると誓います」

 場がざわめきに包まれます。

「今日は、顔の治療をして休みます。失礼します」

 私は呼び止める声を無視して、退出の挨拶をしました。歩き始める際、カトレアが手を未練がましく泳がせましたが、すぐに引っ込めてしまいました。(演技上手過ぎです)

「ギル。私はギル以外に人を、夫と絶対に認めない」

 ドアノブに手をかけた時、カトレアの口からシナリオに無いセリフが出て来ました。私は動きを一瞬止めてしまいましたが、何も答えずそのまま退室しました。

 部屋の前で待つと、カトレアがすぐに出て来ました。風系統メイジには聞こえてしまうかもしれないので、ここでは言葉を発する事が出来ません。

(お疲れ様。迫真の演技でしたよ)

 カトレアは私と目が合うと、ニッコリと笑って頷きました。

(では、それぞれの部屋に戻りましょう)

 フルフル。

(……私の部屋で少し話をしますか?)

 コクン。

 私が歩き始めると、カトレアは私の腕に抱きついて来ました。



「ギル。ごめんなさい」

 私の部屋に着くと、カトレアに真っ先に謝られました。カトレアが杖を抜いたので、私は手で制しながら口を開きます。

「気にしないでください。カトレアの前で、迂闊な事を考えた私も悪いです」

 私はそう返し、杖を抜き《癒し》の魔法で顔を治療します。

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