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バカとテストと召喚獣 吉井龍明の受難
第一部
第一問 俺と学校と16年目の春
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俺がこの世に生を受けてから16年。
今俺は満開に咲き誇っている桜並木に囲まれながら目的地へと歩っていた。

「ふぅ・・・、後八分か」

腕時計を見て確認し、一人つぶやく。後八分で今日から俺の新しい生活が本格的に始まる。
昇降口・・・これから三年間お世話になるであろう俺の通う学校『文月学園』の昇降口付近で俺は『あるモノ』を捜している。・・・て、あり?

「クラス分けの紙が無い・・・?」

ある事情があり、別に俺には無くても良い物だけどそれにしたって変だ。これじゃ新入生がどのクラスに行けば解らないのでは?
などと思案していると背後から

「吉井。何をしている」

ドスの利いた野太い声を掛けられた。これは・・・

「あ、やっぱり。おはようございます西村先生」

「ああ。おはよう吉井。・・・ん?バカ(明久)の方はどうした?」

この人は文月学園の生活指導担当者、西村宗一郎(にしむらそういちろう)先生だ。筋骨隆々のいいガタイをしていて一部、いや生徒の大半の間で『鉄人』の渾名を付けられてしまっているらしい│(アキ兄談)
因みに趣味はトライアスロンらしい。

「ああ、アキ兄なら今頃家を出てる頃だと思います。俺が家を出てくる時でもまだ寝てましたから」

「そうか・・・弟と違ってどうしようも無い奴だな」

「はは、そうですね。いい加減俺に起こされないようにして欲しいんですけど」

「まあ、それはともかく・・・ほら」

そう言って西村先生は一通の封筒を俺に手渡す。

「えっと・・・なんですかこれ?」

「クラス分けの結果表だ。」

「はあ。しかしなんでまたこんな受け渡し方なんですか?」

「吉井も知っての通り、うちは例の試験召喚システムを導入した試験的な学校だ。この渡し方もその一環なんだとさ」

西村先生が告げる。それとこれとはどういう関係があるのか良く解らないけど、先生が言うならそう言う事なんだろう。

「じゃあ先生。俺行きますね」

「ああ。・・・頑張れよ吉井」

「・・・はい。ありがとうございます!西村先生!」

そんなやり取りを行った後俺はその場を後にした。昇降口で今履いているスニーカーから学校指定の真新しい上履きに履き替えて旧校舎の階段を一段飛ばしで駆け上がる。そして、「1−F」と記されている教室の前で一旦止まり『念の為』さっき西村先生から貰った封筒に手を掛ける。

           吉井龍明・・・Fクラス


淡泊にそう書いてあった。まあ、別に見なくても知ってたけど。

(・・・いよいよだな)

今日から始まる高校生活。楽しい事や嬉しい事があるだろうし、辛い事や悲しい事もあるだろう。ひょっとしたら、何か事件が起きて、それがきっかけで俺の中に眠る何
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