『"Cannibal Candy"』
#4
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くつか特殊な能力を授けられている。その中の一つが、相手の自動人形や魔術師の実力を大まかに知ることができる、という物だ。ラジエルの能力を開放すれば、さらに多くのことが『見える』のだが、今はその魔力の流れや、性能が『情報圧』となってぼんやりと見えるだけだ。
そして――――マグナスの連れた二体の自動人形は、その中でもはっきりと見える圧倒的な威圧感を発揮していた。間違いなく、今まで出会ってきた中で『最強』といえよう。
シャルと共に割れた窓ガラスから外に飛び出す。ライシンはすでにマグナスと真正面から対峙していた。二体の自動人形が、マグナスを守るように前に出る。
「……」
ライシンが動かないのを見ると、マグナスは二人を下がらせて先に進もうとした。
「待てよ、お面野郎……それとも、《マグナス》って呼んだ方がいいか?」
ライシンは、マグナスに日本語で話しかけた。そして驚くべきことに、マグナスもまた日本語でこたえる。
「……お前は、誰だ?」
「悲しいこと言うなよ。遠路はるばる、世界の反対まで会いに来てやったのに」
「……悪いが、誰か人違いをしているようだ」
「それでもかまわない。俺はあんたに、こいつを……!!」
ライシンがポケットから瓶を一つ取り出す。それを敵対行動と見たか、《鎌》と書かれたフードの、青い髪の乙女型人形から、膨大な魔力がほとばしる。それに反応して、クロスの両目も虹色に光る。視界に上書きされるように、自動人形の情報が記録されていく。
そこに書かれた魔術回路の効力に、クロスが目を見張ったのと同時に、どこからともなく合計四体の乙女型自動人形が姿を現す。彼女たちは瞬時にライシンを取り囲み、各々の武器を首筋に突き立てる。
青髪の自動人形の魔術回路は、空間転移を行うもののようだ。
「雷真!!」
夜々が叫ぶ。
「六体も自動人形を操れるのか……」
「ええ。まさにワンマンアーミー……彼女たちが《戦隊》と呼ばれることから、ついた登録コードは《元帥》」
「なるほどね」
クロスの呟きにシャルが答える。戦隊だから元帥。なかなかしゃれた登録コードだと思う。
「ふっ……せっかちなお嬢さん方達だな。俺はただ、お近づきの印にこいつを進呈しようと思っただけさ」
ライシンが、《火》と書かれた菫色の髪の少女に、持っていた瓶を手渡す。彼女から瓶を受け取ったマグナスは、その瓶の匂いを嗅いでピクリと目を動かしたように見えた。
「……ありがたくもらっておこう」
マグナスは瓶をポケットにしまうと、六人を連れてその場を立ち去ってしまった。
「……何なの?あの瓶」
「……ナデシコ……」
ライ
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