計算外
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大穴が開いた。
突然の事にブレインは対応出来ず、落下する。
「あ、あの・・・ジェラール、さん・・・」
倒れるウェンディとそれを支えるハッピーとルー、こんな状況でも眠るミッドナイトをスルーして歩いていくジェラールに、アランが震える声で声を掛ける。
が、ジェラールはそんなアランを一瞥すると、すぐに歩みを進め、洞窟から出ていった。
「ジェラール!」
ジェラールが出ていったと同時に瓦礫の山の中からナツが出てくる。
「どこだ!」
「行ったわ」
「あんにゃろォーーーっ!」
「アイツが何者か知らないけどね、今はウェンディとルーを連れて帰る事の方が重要でしょ」
シャルルの言葉にも、ナツの表情から怒りは抜けない。
「エルザを助けたいんでしょ!」
が、続いて放たれたシャルルの言葉には反論出来なかった。
彼等の目的はエルザを救う事であり、ウェンディとルー、ハッピーを連れて帰る事であるのだから。
「わかってんよ!」
シャルルの正論にナツは悔しさを滲ませた声で叫ぶ。
「アイツ・・・」
「ジェラールさん・・・」
だが怒りは完全には抜けず、苛立たしげに呟いた。
アランは呆然と洞窟の入り口を見つめ、言葉を零す。
「行くぞ!ハッピー!」
「あいさ!」
「行くよアラン!大空風翼!」
ハッピーがナツを、シャルルがウェンディを、ルーはその身に風を纏わせ、アランはルーの魔法によって造られた風の翼を使って飛び、洞窟を出ていく。
そして洞窟には眠るミッドナイトとブレインだけが残される。
「計算外だ・・・いや、拘束具を外した私のミスか・・・しかし・・・以前の奴は私にここまでの敵対心は持っていなかったハズ・・・」
穴から出ようと身を起こす。
「眠っている状態でニルヴァーナの話を聞いていたとでもいうのか?」
ふと呟いて見て―――――1つの可能性が浮かび上がる。
「ジェラールめ!まさかニルヴァーナを独占する気か!?」
話を聞いていたかは解らない。
だが、少しでも可能性があればそちらに考えてしまう。
その表情が、怒りに染まった。
先ほどのナツとは違う意味の、怒りというより憎しみに近い感情。
「させぬ!あれは我々のもの!誰にも渡すものか!」
そう言うと、ブレインは上を見上げて叫んだ。
「コブラ!聞こえるかっ!ジェラールが逃げた!奴を追え!奴の行く先に・・・ニルヴァーナがある!」
樹海の草木が茂る、洞窟から距離のあるそこにコブラはいた。
「OK、聞こえたよ。ついでにジェラールの足音もな」
怒りと憎しみを混ぜたブレインの叫びはしっかりとコブラに届いていた。
それを聞いたコブラは相
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