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男女美醜の反転した世界にて
アフターストーリー
アフター1 男のあの日
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降りかかった異変の、その全貌だった。頭の中で第三次世界大戦でも始まっているかのような頭痛。腰と下半身で餅つきでもしているかのような衝撃と激痛。
 極めつけに、水道の蛇口を少し捻ったまま放ったらかしにしたかのような様相で溢れ出してくる男汁……、即ち精液。
 それらが混ざり合って、不規則な“波”と共に、僕の身に襲い掛かってきていたのだ。その“波”が来るたびに、僅かに捻られていただけの蛇口が、急激に開かれるようにして精液が噴出する者だから、もうなんかもう、恐ろしいったらありゃしない。

 ――これはもう、不治の病に違いない。
 経験したことのないような頭痛と腰痛。あと、睾丸が重くて痛い。漏れ出してくる精液の量は明らかに僕の貯蔵量をオーバーしてるし。

「うぅ……、翔子、……助けて……」
「そ、その、えっと……」

 悲観しきった僕とは対照的に、翔子は顔を赤くしながら、なんだか困った顔をしていた。

「お、お薬は、もう飲んだの……?」
「く、薬? そんなのあるの?」
「いや、多分あると思うわよ? 切らしてたりしなければだけど……」
「もしかして、翔子にはこれがなにかわかるの!?」
「わかるっていうか、私でも知ってるというか……。その……」
「お、教えて!」

 視線を右往左往させながら、翔子は適切な台詞を探すようにして、たどたどしく述べる。

「その、男の子の、アノ日ってやつで……、えっと、単刀直入に言えば……」
「い、いえば?」
「――……、生理じゃない?」


 ◇



「そうか……、これが生理なのか」

 数十分後。パジャマから着替えた僕は、リビングで翔子とテーブルを挟みながら、お茶を啜っていた。

「んもう、死にそうな声で電話かけてくるんだから、何事かと思っちゃったじゃないの」
「ごめん……。」

 あれから、なんでか引き出しの中に入っていた生理痛用の薬を飲んでしばらくすると、先ほどまで僕を襲っていた苦痛が、綺麗さっぱり回復した。
 まだ本調子というわけではないけれど、それでも、先ほどまでの苦しみから比べれば天と地の差だ。
 ――何事かと思ったら、何でもない……とは、流石に言い難いけれど、なんのことはない、僕の身に起きていた一連の出来事は、つまりこの世界の男なら、誰もが経験することになる生理現象であり、つまりただの“生理”だった。
 男が生理って……。この世界にやってきてから一週間。いまだに、僕の常識とのギャップには驚かされる。

「何事もなくてよかったわよ、ホント」
「面目もございません……」

 本当に、面目なかった。穴があったら入りたい。
 恋人の目の前で精液を垂れ流しにしてしまって、その上で介抱までされてしまうとは。これなんて羞恥プレイ?
 今は、なぜかベ
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