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男女美醜の反転した世界にて
アフターストーリー
アフター1 男のあの日
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突然に訪れるものだ。
 僕は覚悟を決めた。せめて、せめて最後くらいは、愛しい彼女を近くに感じながら死にたい。その一心で、僕は薄れゆく意識の中、口を動かして翔子に言葉を伝える。

「翔子……僕、僕……」
『今、家に居るの? そうなのね? す、すぐに行くからね? ちょっとだけ待っててね!』
「翔子に会えて、幸せでした……、――……ガク」
『拓郎? ちょっと、冗談やめてよ、拓郎! たくろぉおお!』


 ◇


「拓郎! 大丈夫!?」
「――はっ!?」

 バタンと、力強く開かれた扉。その盛大な音と、翔子の悲痛な叫び声に、停止していた僕の意識が覚醒した。
 ――本当にすぐに来てくれた。ちらり時計を見れば、翔子に電話をかけてから数分と経っていない。きっと、僕と一緒に登校するために、わざわざ家の近くで待っていてくれたに違いない。

「しょ、翔子ぉ……」
「た、拓郎? ど、どうしちゃったのよぅ? か、顔、真っ青だよ……」

 翔子は飛び込むようにしてベッドの脇に座り込んだかと思うと、僕の背中に手を添えて、ゆっくりと抱き起してくれた。
 僕の顔のすぐ近くで、翔子の呼吸に合わせてゆっくりと上下している、ふた房の果物が、頬を掠めているのがちょっとだけ幸せ。
 力の入らない身体が恨めしい。本調子だったなら、そのやわらかな二つの幸福の中に、顔を特攻させているところだというのに。

「なんだか、すっごく、頭が痛くて……それに、下半身が寒くて、痛くて……」
「びょ、病気なの? そんな……」
「それに……」
「それに?」
「し、下が……」
「下?」
「そ、その、なんというか、……止まらなくて……」
「止まらない、って……、……!!」

 翔子は視線を横へ――、僕の下半身へと動かして、絶句した。
 僕が今着用している白黒でチェックのパジャマは、上下ワンセットになっている代物で、当然のことながら上と下で色が違うなんて言うことはない。
 ――にもかかわらず、僕のパジャマは下だけが、上着と比べて明らかに色が濃くなってしまっている。
 パッと見は、まるで寝小便でもしてしまったかのような様相だ。だが、現実はそれ以上に壮絶だった。

「こ、この臭い……、こ、これは……、――ぺろ」

 翔子はわざわざ僕の下半身に人差し指を這わせて、ペロリと舐めた

「――これは、精液!?」 
「なんで今、わざわざ味見したの?」

 今朝方から、僕の下半身からは堰が外れてしまったかのように、精液が次々と溢れ出して止まらなかったからだ。

「うぅ……恥ずかしいよ……」
「た、拓郎……これ……」

 おびただしい量の精液とカウパー線液が、パジャマのズボンを変色させてしまっていたのだ。
 これが、僕を今朝方から僕の身に突然
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