第3章 〜目覚めた邪眼と聖剣〜
第16話
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Side 黒斗
ん・・・?ここはどこだ・・・?
たしか、昨日はいつも通りに悪魔稼業を手伝って帰ってから寝たはずだったが・・・
この西洋甲冑がならんでいるここは・・・?
『目を覚ましたか、我が主の長兄よ・・・待ちわびたぞ』
!?
な、なんだ・・・?今の声は・・・
『そうか、我も姿を見せねばならんな』
そこに現れたのは、龍のような鎧をつけた巨大な何かだった。
「お前は誰なんだ!俺をここに何のために呼んだ!」
『それは答えねばなるまい。我が名は【ロマノフ】。貴公の『眼』に宿る者だ』
な・・・!俺の・・・『眼』・・・だと・・・
「・・・つまり、お前は神器(セイクリッド・ギア)に封じられた魔物か何かなのか?」
『それは少し違うな。我はある一族の初代であり龍でもある。そして死するとき、自ら神器になることを望んだのだ。そして歴代の所有者の視界を見続けた』
「だが、それと何が関係があるんだ」
『それは、我の本来の主、璃緒が貴公に我を託したのだ。だからこそというわけだ」
つまり、こいつは俺の眼の神器に宿るやつなのか・・・
『璃緒殿は優秀だった。我が声に耳を傾け、我がかつて作った魔弾を次々と覚えていた』
「・・・それはいつのことだ?」
『・・・貴公も幼いころだ。璃緒殿はいつも貴公のことを話していた。いかに自分が貴公を好いているかということを何度も聞かされたものだ』
ロマノフは苦笑しながら語る。
『だが』
!?だがなんだってんだ・・・?
『貴公が璃緒殿と別れることになった少し前のことだ』
Side out
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数年前
Side ロマノフ
「ねぇ、ロマノフ」
『どうしたのだ?璃緒殿』
「うん・・・あたしに、神器移植の手段を教えて」
『な・・・』
あのとき、我は困惑した。
なぜ優秀な璃緒殿が自らそんなことを言い出したのか。
「あたしは、近いうちに死ぬことになるかもしれないの。だからこそ・・・お兄ちゃんにあなたを託したいの。お願い、ロマノフ」
・・・まさか、璃緒殿に死期が迫っているだと・・・?
バカな、ありえない。
・・・だが、もし本当だとすれば・・・
『・・・ひとつ約束してほしい。本当に死ぬ間際にしてくれ。元気なままでしないと約束してくれ』
「うん、それは約束する」
こうして、我は璃緒に神器移植の手段を伝えた。
そして、あの日・・・
Side out
Side 三人称
「そんな・・・なんで俺には何も言ってくれなかったんだ・・・」
『だからこそだろう。貴公に璃緒殿が買い物を頼んだのは、貴公を少しでも家から離すため、そして自らが堕天使と戦う
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