第三十話 東の聖地へ
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あやつる気だろうが・・・ラーサー様は人形で終わるお方ではない」
「そうだ元老院が望んでいるのは人形の皇帝だ。元老院がヴェイン殿の才能をどれほど憎んでいるか思い出せ。ラーサー殿が自分達の思い通りにならんと知れば・・・元老院は掌を返して潰しにかかる」
ガブラスの懸念を聞いたドレイスは元老院ならやりかねないと思った。
「まずいな。陛下にも報告しておく。ガブラス・・・卿と私でラーサー様を守り抜く。いいな」
ドレイスの言葉にガブラスは頷き、ベルガ達の後に続いた。
同時刻ケルオン大陸バングール地方オズモーネ平原東端にて。
森の入り口でバッシュはアーシェに話しかけた。
「ダルマスカと帝国の友好・・・ですか」
「頭ではわかってるの。今のところ大戦を防げる唯一の手段だわ。でも私に力があればそんな屈辱・・・!」
アーシェは自分の無力さを憎みながら拳を握る。
アーシェは王国再興が目的であるが例え今回の方法で王国が復活したとしても形だけである。
ウォースラが選んだ帝国の属国として復活するのとあまり差がない。
結局帝国にとって余計な真似をすればまた圧倒的軍事力で滅ぼされることになる。
「我々にとっては恥でしょう。しかし民は救われます」
バッシュの言うとおりアーシェ達が恥をかけば民は救われる。
もしこのまま状況が悪化すればダルマスカは二大帝国の戦争の激戦地になるだろう。
更にアルケイディアはまだ魔力が残っているであろう【黄昏の破片】がある。
それを使えばダルマスカ地方ごとロザリア軍を粉砕する可能性すらある。
それはアーシェも分かっているが心情的に納得できない。
「あなたは受け入れられるの?」
「私はヴェインに利用されて名誉を失いましたが・・・今なお騎士の誓いを忘れてはおりません。人々を戦乱から守れるのであれば・・・どのような恥であろうと甘んじて背負います。国を守れなかったその恥に比べれば・・・」
「・・・みんな帝国をにくんでいるわ。受け入れるはずがない」
「希望はあります」
そう言ってバッシュはヴァン達の方を見る。
「あのように手を取り合う未来もありえましょう」
ヴァンとパンネロとラーサーが楽しく会話している光景がアーシェの目に映った。
確かにそんな未来もあるかもしれないとアーシェは思う事にした。
アーシェ達の会話を聞いていたセアは心にある思いが浮かんでいた。
(こんなことならウォースラの提案を受け入れていればよかっただろうに・・・)
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