眠れる騎士の目覚め
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結果から言うと、ユウキたちスリーピングナイツはボスをキチンと討伐した
ユウキ自身が元気一杯満面の笑顔で報告してきたので、シノンとリーファを交えてお祝いして、その日はそのまま休んだ
そして後日、ユウキの意識をフラクトライトに移植する日。俺とクリスハイト、ユウキの三人でVRチャットで話をしていた
「ユウキ、覚悟はいいか?」
「うん……もちろん。そもそも覚悟なんて必要ないでしょ?絶対に成功するんだから!」
「すまん。そうだったな」
不安など感じさせない満面の笑顔で答えるユウキに微笑む
不安しか抱かないこの状況で、目に見える範囲では俺に全幅の信頼をおいてくれている感謝を込めて
「さて……改めて説明をしようか。一応これは医療行為に当たるから患者には色々と面倒な慣例があるものでね」
菊岡は手元に持ったカルテをヒラヒラさせながら面倒くさそうな表情でそう宣った
まあ、確かに面倒だろうが後々文句を言ってくるヤクザ紛いの患者や無駄なことをして金をせびるヤブ医者対策にできた慣例だから、どちらでもない俺達には不要なのだろう
「病名は後天性免疫不全症候群。及び、その症状である免疫低下に伴った日和見症候群とその他云々。患者は初めの病気の末期であるため、現行の医療では治療、及び延命措置は不可能と判断され、僕の権力と尽力のもと……」
「ちょっと待て。権力とか人聞きが悪い。伏せるとかできなかったのか?」
「だって凄い苦労したんだよ?そもそも別分野の技術の応用だったし、研究も不十分。関係省庁に頭を下げて無理矢理法律上は臨床試験中ってことにしてもらったんだから、少しくらいは厭味を混ぜても許されるとは思わない?」
身振り手振りも合わせて大仰に自分の被った苦労を説明する菊岡に視線が冷たくなっていく俺達二人
それに気づいた菊岡は声をフェーズアウトさせた
「まあ……確かに感謝はしている。助けてもらったのは事実だしな」
「リンくん……」
「とにかく、さっさと終わらせてくれ。ユウキはいつ容態が悪化するか、わからない身だからな」
今までもったのが奇跡と言われるレベルだし、早いところ心労の元を減らしたい
ユウキもああは言っているが、少なからず不安はあるだろうしな
「そうだね。じゃあ僕は現実側で手伝いをしてくるよ。だいたいあと30分くらいで始められるから、その時になったらリンくんはログアウトしてくれよ」
「了解した」
俺の返答を聞いて菊岡は手をヒラヒラと振るとログアウトしていった。自分で言っていた通り、準備を進めてくるのだろう
「後30分か。何をしようね?」
菊岡の姿が消えた途端、ユウキはこちらに飛び掛かってきたので、それを受け止めるとユウキの頭を撫でる
ユウキは目を細めて気持ち良さ
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