第五話 白い狐
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単体では脅威ではないからの。
話を変えようと思った時、執務室のドアが開き、初老の男性と20代後半ぐらいの男性が部屋に入ってくる。
「火影様、少しばかりお話が・・」
「おお、シカサク、シカク来たか。」
シカサクは、ミナトに気付いたが無視して話す。
「今回の襲撃、少々腑に落ちないことがありまして・・」
「このタイミング、ということかの?」
ミナトがはっと顔を上げる。
先ほどの話ではないぞ、ミナトよ。
「はい、岩隠れがこの前の小競り合い後、攻勢を強めてはおりますが、国の公式な見解では火の国、木の葉の里とは本格的に戦争する気はなく、隠れ里の一部の若い少数派が暴走気味に行っている。国及び土影はそれを抑えたところだというのを表明したばかりでした。」
ミナトが今度はほっとした顔をしている。
忙しい奴じゃな、普段はおとなしく、優秀なのじゃが。
その続きをシカクが話す。
「そして、その直後に木の葉の里を襲撃をしてきた・・・それも今回の襲撃には岩隠れの常設部隊の大多数を参加させるほどのもの。これでは国が、土影が里の大多数を把握できていないと言わんばかりです。」
「クーデターが起きたと?」
まさか、とは思いつつも言葉にする。
「可能性はあります。また、今回の表明自体が謀略の一環であったという可能性も捨てきれませんが・・」
「我々を油断させるための・・か。」
それをあの三代目土影―オオノキ殿がするであろうか。
「親父、火影様、その可能性は低いでしょう。これは謀略にしては少し拙いかと・・」
シカクが話を割くかのように話す。
わしもシカサクもシカクを凝視している。
話を続けよ、と顔で合図する。
「我々を油断させるためにわざと戦争をする気はないと表明して奇襲に成功したとしても、それが謀略であったとわかった場合、他国や他里からの非難は強いものとなりましょう。それでは岩隠れは木の葉攻めどころではなくなります。他国、他里に攻め入る口実を与えるようなものですから。」
「確かにそうじゃの。」
「シカクの言うとおりですな、火影様。さらには、木の葉が他里と連携を取る可能性も高まるということも考えられる。」
「そうですね、そしてクーデターの可能性ですが、謀略ではなく表明が本当だった場合は可能性が高まります。」
「なぜじゃ?」
「きっかけになった小競り合いでの岩隠れのメンツですが、若者ばかりであったと報告がありました。そして、今回の襲撃で指揮を執っていたものは、あの時小競り合いにいた若者達が多数いたとも報告がありました。」
「もし、土の国、土影が公式表明のように暴走している若者達を抑えたのであれば彼らが隊を率いる立場にあるのは不可解です。」
「確かに・・・」
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