第五話 白い狐
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つけた暗部の忍が答える。
「うむ、被害の方はどうだ?」
どちらかと言えばこちらの方が気になるが。
「非常に芳しくありません。いま、我々が把握しているだけでも6小隊が壊滅、そのうちけが人は2〜3小隊規模の数で、民にも被害が出ております。建造物は全壊、半壊を含め、里の5分の1ほどに上るかと・・」
耳を塞ぎたくなるような内容だ・・。
仮面で見えないが、報告している人間も顔を顰めているに違いない。
「・・・ミナト、稲荷神社の方はどうであった?」
ここにいるもう一人の人間に聞く。
「・・・申し訳ありません。到着した時には、もう・・」
つんつんした黄色の髪で、少年と青年の間ぐらいの男の子が答える。
「そうか・・・遅かったか。」
こちらも良い報告ではなかったか。
しかし、とミナトは続ける。
「お二人は間に合いませんでしたが、お子様はご無事でした。」
「!? なんと、イナリは無事か。」
思いもよらぬ良い情報じゃ。
「はい、なんとか間に合いました。どのようにしてかは分かりませんが、岩隠れはお子様には手を出さず逃げたようでした。」
ふう、何とも少しばかり心を落ち着けるの。
しかし、ふと疑問に思う。
今回の岩隠れの襲撃で稲荷神社も襲撃されている。なにも知らなければ、ただの神社だ。
「稲荷神社の情報はどこから漏れたのであろうか。あれは里の重要機密だが。」
「・・・そうですね、神社のこと自体は別としても、ふしみ一族のことは難しいですね。」
少し間を置いてミナトが答える。
「ただ、長い間隠されてきたものですからね、どこかで漏れてもおかしくはないでしょう・・・」
奴の答えに少し訝しく感じた。
いつもはもっとはっきりとモノを言うが、歯切れが悪い感じがするの。
「いや、そこではなく、このタイミングというのが気になっての。」
「憑代様の神見の儀式ですか・・・」
「うむ、あれは一族の力が弱まる時でもある。もともと憑代様自体には大きな力はないが、狙いがお稲荷様となると話は変わるやもしれん」
ミナトが思いもかけないことを聞いた感じに顔を急に上げる。
「!? そのようなことが可能なのですか!?」
「ん?そういうこととは?」
「いえ、そのお稲荷様自体を、その力を取り出すことなどできるのですか!?」
何を焦っているのかよく分からんが・・
「うむ、本来は一族でしか使えぬものではあるが、力そのものを取り出すことは可能じゃ。まあそうじゃの、イメージとしては尾獣のような感じかの。まあ、あれよりもある意味辛いがの・・」
ミナトは何とも言えない顔をしているが・・・
まあ、この事実を知らんとなると、わしの勘違いであったか。
あの一族は、うちはや日向のようにそれ
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