第二話 お稲荷さん
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」
男性は、女性を気遣いながらも不安が心を渦巻いていることが見える。
「雲隠れとの“戦争”も停戦が結ばれたばかりですのに。」
「そうだな。あの“戦争”では二代目様を失い、本当に、本当にひどいものだった。」
部屋に重苦しく、暗い空気が広がる。
「長い“戦争”をなんとか停戦まで持ち込んで、やっと平和が来ると思っておりましたのに。」
「イナリには、イナリだけには“戦争”を知らずに、平和に穏やかに生きてほしいのに。。」
いつの間にか、女性の目には涙が溜り、すぅーっと頬を伝う。
男性は立ち上がり、座っている女性を後ろから ぎゅっ と抱きしめる。
「大丈夫だ、俺が守るから。イナホもイナリも俺が・・・」
後の言葉が声にならない音で続かない。二人とも肩がふるふると震えていた。
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