05 「再会と出会い」
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女の性格ならば、足が不自由なままでも人並みに明るい人生を歩めるはずだ。
魔法に関わってしまえば、きっと悲しい出来事を平凡に生きるよりも多く体験することになる。はやてはすでに充分苦しい思いを経験している。俺は彼女には笑っていてほしい。
だから俺は……魔法文化に関わっていくのならば、近い将来はやてに別れを言ってミッドチルダに行かなければならない。いや、きっと俺はこの道を行くだろう。
俺は純粋な地球人じゃない。魔法文化を幼い頃から知って育ち、関わってきた。高町ぐらいならば地球側の人間だと言えるが、俺はどちらかといえば魔法文化側の人間だ。何事もなくてもおそらく……義務教育が終わればきっと……。
「ヴィータの他にもあとふたりおるん……ショウくん?」
「ん、あぁ悪い。はやてだけと思ってたから……」
「あぁ、気にせんでええよ。わたしも言うとくべきやったしな。というか、いつまでそこにおる気なん。はよ上がり」
「あ、ああ……」
リビングの方へ向かう中、ヴィータという少女は俺の顔をじっと見てくる。理由の検討が付かないため触れないでおいたのだが、はやてが彼女に挨拶しろと促したため会話せざるを得なくなった。
「あたしはヴィータ、ショウだったよな? よろしくな」
「ああ……」
「こら、初対面の相手にそんな挨拶するもんやないで」
「いいよはやて、俺は気にしないから」
「そんなことは分かっとるよ。でもな、これから先色んな人と出会っていくんやで。挨拶くらいきちんとできなあかんやろ。普段どおりに話すのは親しくなってからや」
はやてとヴィータは見た限りは姉と妹のようにも見えるが、はやてが母親のように思えてしまう。ふと先ほど考えたことが原因で思考がおかしくなっているのか、はやての未来について考えてしまった。
いつかきっとはやても結婚して母親になるんだよな。相手が誰かなんてのは分からないけど、結婚式くらいは魔法世界で暮らしてても行かないといけないよな。……何を考えてるんだ俺は。結婚なんてまだできる年でもないってのに。でも……確かなことがひとつあるな。はやてが結婚できないなら、うちの叔母は絶対に結婚できない。
「……おいおい」
リビングに入った俺は、思わず呟いてしまった。リビングに青色の毛並みの狼がいれば、誰だって俺と同じ反応をするはずだ。いや、俺の反応は薄いと言ってもいいだろう。アルフと知り合ってなければ、俺もどういう反応をしたか分からない。
「どないしたん?」
「いや……狼って飼っていいのか?」
「何言うてるん。どう見ても犬やんか」
「……犬?」
「そう、ザフィーラは犬や」
はやては笑顔で断言したものの、俺の中の疑問は消えなかった。視線でヴィータに問いかけてみると、彼女はそっと視線を逸らすのだった。はや
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