05 「再会と出会い」
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知り合いだ。彼女の担当の先生がお見舞いに来ているのかもしれない、と思ったが、足音は子供が走っているような感じだった。
明るい性格をしている彼女ならば、図書館で同い年くらいの子と会話すればすぐに親しくなるだろう。俺以外の同世代が彼女の家を訪れていても、何ら不思議ではない。
もしもはやての友達だった場合、多少気まずくなってしまいそうだ。友達の友達は友達と聞いたことがあるが、高町のような性格でもない限りすぐに仲良くなるのは無理だ。
「はーい」
出てきたのは、同い年か少し下と思われる明るい赤髪をおさげにした少女だった。予想どおりの年齢層だったのだが、外国人だとは予想していなかった。そのため俺は少し言い淀みながら用件を伝える。
「えっと……はやて、いるかな?」
「…………」
「……いないのかな?」
「あ、わりぃ」
少女は俺に謝ると、中に入るように促した。俺が玄関に入ると、少女はリビングの方に向かいながら大きな声ではやてを呼ぶ。
はやてがいることに安心する一方で、玄関に置かれている靴の量を見て不安に駆られる。
前に来たときまでは、はやてのものしかなかったよな。はやてのより小さいのは、さっきの赤髪の子だとして……はやてのよりも大きいものがあるってことは、この家には赤髪の子以外もいるってことだよな。見知らぬ人間がたくさんいる中ではやてと話すのは……
「お客さんって誰なん?」
「はやてと同じぐらいの男。でもあたし、どっかで見た気がすんだよな」
「ヴィータが知っとるわたしと同じぐらいの男の子? それって……やっぱショウくんか」
考えている間にはやてが現れてしまった。彼女はにこりと笑みを浮かべてこちらに近づいてくる。赤髪の少女もはやてのあとを付いて来ている。
「久しぶりやな。最後に会ったのはわたしの誕生日の少し前やから、2ヶ月ぐらい前になるんか。夏休みは楽しく過ごせたん?」
「あ、ああ……まあ」
「どうかしたん? ……あっ、この子はヴィータって言うんよ。海外から来たわたしの親戚なんや」
違う、ヴィータという少女ははやての親戚なんかじゃない。はやての笑顔に影のようなものを感じた俺は、直感的にそう思った。
だが俺は、追及するような真似はしないことにした。はやてが真実を隠すということは、それなりの理由があるはずだからだ。加えて、俺は2ヶ月以上彼女と会っていなかった。気のせいだということもありえる。
それに……俺もはやてに魔法文化のことを黙っている。それに対して後ろめたさは感じているし、最初は驚いても信じてくれる気がするため話したいという思いもある。だがそれは同時に、自分が楽になりたいだけとも言える。
はやては純粋な地球人。足は不自由だが、後天的なものと聞いているため今後治る可能性はある。彼
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