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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第17話「僧侶と節操なしと次の街へ」
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ちょっと、なんで私を見つめるのよ。私に決定権なんて無いからね」
にべもなく言い放つイダだが、ストランディンが彼女を耳元に引き寄せて、
聞こえないように小さな声で注意した。
「そうはいうけど、一緒に行くってことになればあの力だって見せることに
なるかもしれないんだか。このままだと勝手に決めちゃうよ、グウェンさん」
「なるほど…たしかにそのとおりなんだけど…」
イダはまだ首肯することが出来ない。リックの意見を聞かなければいけないと思った。
だが、騒ぎが収まってしまいそれでも起きて来なかったリックが起きてくるのは、
おそらくは明日の朝になるだろうとイダは判断する。
「今は決められないよ。お父さんが起きてくるまで…」
その言葉が聞こえていたか、聞こえていないか…シドはニッコリと笑って、
「私は別に構いませんよ。本当に…丁度暇を持て余していたところです。
ですが、他にもお仲間がいるのでしょう?そちらの意見もお聞きになっては?」
イダの心を見透かすかのように言ったシドは、聖職者らしく十字を切る。
「貴女には大きな運命が見えます。ですが、重き荷と言えどそれを枕に眠ることは
できましょう。決してその重荷を捨てようとはしないでください」
祈るように言う彼に、イダは「ええ。捨てた重荷は自分にいつか帰ってきますから。
重さを増せるだけ増して」と、子供とは思えない顔で返して瞑目した。
瞑目した彼女を見て、シドは満足気に頷くとジョッキにもう一杯エールを注ぐ。
「だーかーらー、辛気臭いって言ってるニャア!もういいにゃ!」
耳をピンと張らせて怒りを表すと、グウェンはエールを飲み干す。
そして、ストランディンと向い合って微笑むシドに剣呑な目を向けるのだった。
―――翌日、早朝。
まだ夜も白み切っていない時分に、イダと父親は普段の習慣通りに目を覚ました。
宿の朝は早い。それ故の習慣であった。
…貴族の娘たちはまだ起きておらず、グウェンはまだ下の酒場で、
オークの僧侶と酒を酌み交わしていることだろう。
そんな時間に、彼女は父親に昨夜酒場であった事件を報告し、少し怒られていた。
「軽率だぞ、イダ。アレだけの大金を手に入れたんだ。狙ってる奴はごまんといる。
だが、これだけすぐに情報が広まるか…ドライベールじゃないだろうな」
それはない、と彼は頭を振る。そしてすぐに「気をつけろ。二度目は無いかもしれないぞ」
と厳しい言葉を投げかけていた。
「…うん、わかった。ごめんなさい、お父さん。それで…シドさんのことは?」
「いいんじゃないか。まあ、グウェンの元冒険者仲間なら問題無いだろ」
シド
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