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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第16話「私とチンピラとオークの僧侶」
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女将さんと同じく、自分たちを見ていたな。
リックと離れたところをどうにかするつもりだったに違いない。浅はかすぎる。
イダは一つため息をつくと、「いえ私達にはそんなつもりはありません。
お酌して欲しいのなら、それ専門の方が居ると思うのでお金を出してそちらへどうぞ」
わずかに苛立ちを込めながらそう言った。ストランディンが何か言いたそうだが、
それは手で制している。彼女は既に手にこっそりと手甲をはめている。
…いきなりケンカはまずいでしょう。イダはそう思いながら話を続けた。
「子供に何をさせようっていうんですか。私、娼婦でもなきゃホステスでもありません」
「だとっら!!っとばすぞあぁ!?」「ってんじゃねっぞ!?あぁ!」
何を言っているかわからない。日本語で言えば、ヤンキー語とでも言うべき
呂律の回っていないバカな口調でチンピラは喚き出す。
そして、彼らは目の前のミルクの入った陶器のコップを手で払い落とす。
―――がしゃあああああああああん!!びしゃっ!
勢い良く壁にたたきつけられたコップは盛大な破砕音を上げてばらばらになり、
その中身はぶちまけられイダの顔にベッタリと引っかぶさってしまった。
「な…な…な…何すんのよ、このあんぽんたん!!」
イダの怒りの声が酒場を貫く。頭だけじゃない。服もズボンもミルクで濡れてしまった。
「はっ!いいカッコじゃねえか!?なめてんじゃねえぞクソガキャア!」
「何がいいカッコじゃこらあ!?なめてんのはそっちじゃボケえ!!」
イダは低く大きな声で叫ぶ。ストランディンが拳を構えて、援護の体制に入った。
…一触即発。一撃激発しておかしくない状況がしばし流れる。
周りの少なくない客も黙ってその状況を見ていた。
…これが大人同士であれば、ケンカだケンカと見世物にする冒険者達も、
さすがに子供相手にこの態度はドン引き、といった所だろう。
ダンダンと階段を忙しく駆け下りてくる音がする。それが何かわからないが、
グウェンか父親だったら助かる、とイダは思いながら胸のベリドットに祈りを注いだ。
…と、その時のことだった
「―――まあ、待ちなさい。みんな楽しく飲んでいるのです。
そんなところで子供をいじめるんじゃありません。虐めて良いのは人に害をなす魔物のみ。
例え魔物といえど、我々に害をなさないものであれば手を出すべきではないのです」
…低く潰れてはいるが、朗々とした声が酒場に響いたのと、
桃色のグラスランナーが酒場にたどり着いたのは、ほぼ同時だったのだった。
「だとこらあ!?豚の坊主が何ぬかしてんだオラア!?」
チンピラはその声の主に向き直ると、そう
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