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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第16話「私とチンピラとオークの僧侶」
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主に鉱山や樫の木が生える森で生活する大きな種族のこと。

二十歳くらいまでは大きな人間、って感じなんだけど、それを超えると顔が豚みたいに

なっていくのよ。男だけね。40超えると、ほとんど豚って感じ。

昔は呪いだと思われてたらしいよ」

なるほど、とイダは頷く。驚いたことには驚いたが、エルフも多くの幻想物語に

あるような満遍なく閉鎖的な種族ではない、ということからも想像はできたので

何も言うことはなかった。

「…あの法衣は『黒く超越する空色』の神官戦士のだね。

青だから、槍か杖術の修行をしてるはず」

そしてストランディンは『黒く超越する空色』の神官戦士が着る法衣には

「素手の赤」、「槍と杖の青」、「魔法と弓の緑」、「剣の紫」の4種がある、と語った。

「青だから槍か杖。それもあの巨体だし…相当強いよ。多分」

イダはストランディンの評に感心しながら開いている席につく。

「…オークの中でも大きいの?」

「普通はあの4分の3くらいかな。うちにいるオークの料理人さんの話だと」

ストランディンはそう言って、カウンターの女将に「ホットミルク二つくださーい」と

大声で注文を入れた。

「アレで大きい方なんだ…ふーむ…なるほどねえ」

イダは腰のナイフをいじりながらそう言って目をちらりとオークの僧侶の方へと向けた。

(―――なんだか寂しそうな感じなんだけどねえ)

確かに筋肉はたくましくそれ以上に肉付きもよく、背のものすごく高い力士のようだが、

なぜか寂しそうに丸めた背中と手に持ったエール入りのコップ…いやジョッキが

疲れたサラリーマンのおっさんが居酒屋でクダを巻いている様子を思わせてしまう。

…いやあ、15の世間知らずの少女が考えることじゃないわなあ…

イダは「たはは」と笑って考えを打ち消した。

「あいよ、ホットミルク二つでいいんだね?他に注文はないのかい?」

机にミルクが置かれ、恰幅のいい女将さんがそう言って笑った。

「あ…じゃあ、何かつまめるものを…チーズとか、あります?」

イダが言うと、「目が高いねえ。いいよ、チーズとベーコンの和え物ならすぐできる」

と女将さんは追加が入ったことにあからさまな喜びを浮かべる。

「じゃあ、それ一皿ともしあったら砂糖を少し。黒砂糖で構いません」

女将はその言葉に一つ頷くとニヤリと笑って奥へと引っ込んだ。

少し嫌らしい笑みだったかもしれない。なんて思ったのは気のせいだ。

(日本での接客が異常なんだ。何がお客様は神様です、だよ。あれは仕事の気構えで

客の傲慢を許容する意味じゃないのよ、まったく)

前の世界のことを思い出して少し鬱になる。営業の大風呂
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