第八十二話 四人への準備その八
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「ですから」
「権藤さんはですか」
「かなりのカリスマ性の持ち主でもあります」
「首相になるまでのですか」
「首相といっても様々ですが」
ここでこうも言う聡美だった。
「中には何もない首相もいますね」
「あの原発事故を起こした首相ですね」
「あの人ですね」
上城だけでなく樹里もその輩については汚物について語る口調になった、その目に顔を見ているがやはり汚物を見る目だ。
「あの人は何もないですね」
「本当に何一つとして」
「はい、資質も魅力もありません」
「資産はありますよね」
「それは」
「全て汚いものです」
その持っている金もだというのだ。
「出処は」
「そんな人でも首相になれるんですね」
「時には」
「その前の首相は資産だけでした」
やはり能力も人望もなかったというのだ。
「この国のマスコミが作り上げた虚像でした」
「そんな人でも首相にはなれるんですね」
「何かの間違いで」
「私から見ましても」
女神であり神話の頃から人間達を見てきている彼女でもだというのだ、このことは他の神々でも同じである。
「あの二人、後の一人も」
「首相として最低ですか」
「そういう人達なんですね」
「人間としてです」
首相としてだけでなく、というのだ。
「最低です」
「銀月さんから見てもですか」
「そうです」
まさにその通りだというのだ。
「あの人達は」
「選挙はよく選ばないと駄目ですね」
つくづくだ、樹里は言うのだった。
「さもないととんでもない人達が首相になりますね」
「このことはギリシアでもありました」
古代ギリシア、それぞれのポリスで直接民主制が行われていたその時代のギリシアでもそうだったというのだ。
「何も考えない、知らない人達が選んだデマコーヴァ達が国を駄目にしました」
「あの人達みたいな人達がですか」
「古代ギリシアでもいてですか」
「町を駄目にしたんですね」
「ポリスを」
「そうでした」
その時代のことを思い出しながらだ、聡美は二人に話していく。
「かつては」
「それで日本もですか」
「危ういところだったんですね」
「あそこまでの人達は古代ギリシアにもそうはいませんでした」
そこまで愚劣かつ劣悪な連中だったというのだ、あの首相共は。
「今の言葉、とはいっても少し前の言葉ですが禁治産者ですね」
「つまり社会的に全く駄目な人達ですか」
「そうした人達だったんですね」
「そうです、しかし彼は」
権藤、彼はというと。
「違います」
「本物なんですね」
「本物の政治家なんですね」
「あれだけのものがあれば。健康でもありますし」
「ですね、凄い健康的な人ですね」
「そうでもありますね」
「後は運だけです」
政治家には運も必
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