TURN127 アルプス要塞その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「お互いにな」
「平和を前提としてですね」
「そうなる、とはいってもソビエトもいればな」
「アラブやアフリカもありますね」
「完全に二つじゃない」
その辺りの細かいところはまた別だというのだ。
「それでもだ」
「世界はその秩序の下に動くか」
「そうなっていく、とはいっても太平洋も中では色々とあるだろう」
日本が盟主的立場だがガメリカや中帝国も強い、しかもその他の国々もそれぞれ発言力があり国力もあるのだ。
だからだ、東郷もこう話すのだ。
「中をまとめそのうえでやっていかないといけないからな」
「戦争にはならなくとも大変なことは変わりませんね」
「そうなる、そのことはわかっていてくれ」
「わかりました」
日本は東郷ノ言葉に確かな顔で頷いた、そのことはわかるというのだ。
そのうえで戦後のことも考えていた、そうして。
今彼等はベルリンを目指そうとしていた。アルプスからそこに至ろうとしていた。だが。
ここでだ、不意にだった。
秋山と日本妹が来てだ、二人にこう言ってきた。
「あの、サラマンダーですが」
「ベルリンに移動させられています」
「あの大怪獣が?」
「またそれはどうして」
「はい、どうやらヒムラー副総統がです」
「移動させられています」
二人はこう話した。
「どういうお考えかわかりませんが」
「そうされています」
「もう軍事の指揮権は総統さんにあるがな」
ドクツ総統、即ち国家元首である彼女にだ。国家元首が軍の最高司令官であることは常識のことである。
「当然サラマンダーもな」
「ベルリンにある予備兵力と一緒にでしょうか」
日本妹はヒムラーの言っていたことから東郷に話した。
「総統にお返しする為に」
「そうだろうか、まさかな」
「まさかとは?」
「クーデターは、ないか」
東郷はいぶかしむ顔でこの可能性を指摘した。
「それは」
「クーデターですか」
「そうだ、総統さんに対するな」
「それはないのでは?」
いぶかしむ顔でだ、こう答えた日本妹だった。
「予備戦力といいましてもアンドロイドの様なものらしいが」
「ドクツ正規軍とは戦力的に比較にならないか」
「そう思います、とても」
「あの副総統さんはかなりの曲者っぽいがな」
東郷は直感的にヒムラーの怪しさを察していた、だがその彼にしても流石にヒムラーの素顔のことまでは気付かない。
それでだ、こう言うのだった。
「権力への野心はあってもな」
「常人がレーティア総統にとって代わることは無理ですね」
「そんなことは誰でもわかることだ」
レーティアを見ただけでだというのだ。
「とても無理だ」
「ではやはり」
「そうだろうな、確かにサラマンダーは危険だがな」
それを使うとはとても思えな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ