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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第14話「続・私、商会の人に会う」
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って瞑目し頭を振った。

「うわあ…そんなところなんですか…」

―――まるで中世暗黒時代の欧州のようだ。

イダの考えはそう間違ってはいない。彼女の想像に近い世界が隣の大陸には

厳然として存在しているのだ。

「そっか。プロイスジェク帝国もほとんど戦争なんかしないのに、

すごい軍備を持ってるのは、ダグダム大陸の侵略のせいなんだ」

事実上そうだった。マールヴァラもプロイスジェクも戦争をする気は今のところなく、

軍備はあくまで自衛用のものでしか無いのだというのだ。

―――それにしては、プロイスジェクの持つ軍備は文明レベルを超えたものであるが。

「…なるほど。だから、香辛料栽培可能な地域とは確執があって、輸入が滞っている…と」

イダの言葉に、ドライベールは我が意を得たりとばかりに首肯する。

「我が国と10年前に紛争を起こしたティヤート君侯国のみですな。無条件での貿易可能国は。

彼の国は戦後賠償として、100年の最恵国待遇と香辛料の増産を約束させられましたから」

太った商人は、なるほどと頷くイダを見てため息をひとつついて、

「リック。出来れば頻繁にこちらに来るようにさせてください。彼女の知識はあまりに

偏っている。考え方や飲み込みが良くても、肝心の基礎知識がない。これではダメです」

宿の主人とはいえ商人の一種。彼女の宿を継がせるつもりなら、教育をしっかりしろ。

ドライベールは言外にそう込めて、リックに向き直った。

「わかった。こっちとしてもそうしてくれるなら助かる。ハッハッハ!」

「笑ってる場合ですか。全く、いつもいつも適当なんですから…」

呵呵と笑うリックに渋い思いを抱きつつ、ドライベールは苦笑せざるをえなかった。

「昔からそうなんですか?お父さんの適当さって」

イダの軽い疑問に、ドライベールは「ええ、そうですとも。いいですか、イダちゃん。

彼が笑いながら言うことを真に受けてはいけませんよ。

わかっているとは思いますが、念のため」と若干の皮肉を込めて言った。

冗談だとわかるように、少しニヤつきながら。

その言葉は正しい。まったくもって正しい。彼女はリックの適当さのせいで、

幼い頃から彼女にもよくわからないことで試練と称して課題を出されていたのだから。

「はい、勿論わかってます。先日も「宿の経営改善お前やって」とか無茶言われました!

この香辛料がなかったら、それをずっと頭テカテカ、冴えてピカピカになるまで

ヤラなきゃいけなかったかと思うと、笑えてきます!」

冗談めかしてイダが叫ぶように言うとと、父は「おいおい、そりゃないだろう」と苦笑する。

苦笑ついでに、そのまま腰を落としてド
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