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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第14話「続・私、商会の人に会う」
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の気候は比較的アルロヴァーナよりも厳しいと言えた。

そこにはほとんど人間しか住んでいない。700年ほど前に成立したある一神教のために

人間以外の種族が迫害され、成立後およそ300年までにユーゼスニア海を渡って

ほとんどの種族がアルロヴァーナへと逃げ出してしまったのだ。

その後、ダグダム大陸の主要国は50〜100年に一度、それらの逃げ出した種族の根絶、

そして人間以外の種族にも正当な権利を与えるアルロヴァーナ大陸への誅罰として

侵略戦争を…向こうの言い分で言えば、聖戦を仕掛けてきていたのだった。

それをこの大陸の国家は何度も弾き返していたのだった。

だが、それは確実に爪痕を残しており、生き残った侵略軍の一部が南部の空白地で

国家を建て、同地域に住んでいる人間以外の種族を迫害したり、近隣に存在する

ダグダムからの脱出者の国家などと紛争、戦争を繰り返すなどの問題が

数世紀に渡りこの大陸の民衆と為政者を悩ませていた。

「そんなわけで、香辛料生産国である南部の連中と我々は反りが合わない、というわけです」

同じエルフやドワーフでも、大陸が違えば風習も異なる。

そのため、脱出してきた種族の国家ともやはりギクシャクした関係のままだという。

「このままではいけない、って何度もプロイスジェクやマールヴァラの王様達は

彼らを取り込もうと努力してるらしいけどなあ。民族問題、文化の問題は根が深いな」

リックがため息混じりでそう言うと、グウェンが追従する。

「同じ大陸でも、遣いの森とマールヴァラのエルフじゃあ、考え方も違うにゃあ。

まして別の大陸。まして、自分の土地を捨てて他人の家に間借りする身。

エルフは寿命もなぎゃあからにぇえ。世代交代遅くて、何百年くらいじゃどーにもにゃ…」

はふう、と溜息をつく。続いてフェーブルが「魔法についての考えも同じです」という。

「ダグダムの人々は魔法を忌み嫌っています。神の法を悪戯に使う術である、と。

確かに正しくない方法で使えば災いを起こす力。ですが、力とは常に使うものの心に

問題があるからこそ暴走し、人を傷つける…そして人の心は弱く、

大きな力にすぐに負けてしまう。

だから、精霊使いも魔素魔導師も妄りには術を使わないんです」

ダグダムの人はそれをワカラナイ人が多いのだという。

神の法であるがゆえに人が妄りに使うのなら、使うものは悪魔の手先であり、

神の法を貶めんとする邪悪の化身なのだ、という考えを持っているのだという。

「力を使うものではなく、力そのものを悪とする人が多いのです。この大陸でも、

そういう人はかなりいるとは、私も思うのですが」

フェーブルはそう言
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