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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第13話「私、商会の人に会う」
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はそういう。
「あの…何か、お知り合いの方の忘れ形見…とか」
イダが恐る恐るそう聞くと、太った商人は浮かない顔のままそれに答えた。
僅かな笑みは何を意味しているか、イダには想像はついたが、完全には分からない。
「商売の師の一人娘でしてね。盗賊に襲われて、彼女だけが生き残ったというわけです。」
その言葉にリックも沈痛な面持ちになる。
「そうか。あの爺さん、死んじまったのか…惜しい人を亡くしたな…」
「ええ。私も信じられませんでした。生き残った彼女を私が保護したとき、
ショックから失語症を患っていまして…そこから3ヶ月ほどかけて
あそこまで回復しました。医者は奇跡だと言ってますよ」
…PTSDか。師匠がそんな形で亡くなり、その娘がそんなことになってしまったら、
そりゃああんな表情になってもおかしくない。
イダはそう思い「すいません。余計なこと聞いちゃいました」と素直に謝った。
「いえいえお気になさらず。逆に気にされると辛いらしいので。
名前はチェリー。今後は関わることもあると思いますが、どうかよろしく」
ニコリと笑ってイダに言うと、ドライベールは瞑目する。
「昨年の豪雪といい、ここのところ物騒なことが起き続けているような気がします。
ウヴァの街の町長もマナの病で倒れてしまいました。盗賊は跋扈し、
この地域は兎も角…他の地域では魔物の増加も顕著になってきている…」
何かの前触れではないかと心配しています、と彼は言って冷めた茶を飲干した。
そして頭を振ると、気分を変えるかのように莞爾と微笑んで、話題を切り替える。
「それにしてもあの香辛料、私としても僥倖ですよ。もし定期的な供給があれば、
我が商会の地位も磐石になろうというものですが、それは望めないのでしょう?」
「ああ、そうだな…場合によっては可能だとは思うがな…」
リックの曖昧な返答にあからさまに落胆したような表情を浮かべたドライベールは
「でしょうねえ」と呟いて続ける。
「南方諸国…特にダグダムの血を受ける連中は、我が国や隣国マールヴァラを露骨に
敵視していますからね。香辛料は彼らの独立を保つために必要な道具。
…これが定期的に供給がある状態となれば、大きな顔をさせる理由はなくなります。」
それが残念だ、と笑ってお茶菓子に手を伸ばした。
くるみを練りこみ、余り砂糖は使っていない。クリームやバターも使用されておらず
ジャンブルと呼ばれる初期のクッキーに近いものだとイダは思った。
彼女はそのほのかに甘い味を楽しみながら、今のドライベールの言葉に、
少し疑問が生じたので素直に聞いてみることにした。
「あの、ダグダム、
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