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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第11話「私、話し合ってみる」
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「これでもう外に音は聞こえません。」

フェーブルがにこやかにそう言って、杖を壁に立てかけた。

ストランディンが「ほらね」と言って、ニッと歯を剥きだして笑った。

―――それじゃあ、話すわね。

フェーブルの態度を見て、イダはその言葉とともに語り出した。

…その語りに含まれる言葉は、カストル姉妹にとっては信じがたいものだったのだが…



「じゃあ、転生者…だって言うの?そのバッグとズタ袋はそれが原因で手に入れた?

ぶっちゃけ、信じらんない!それであのセリも出したっていうの?」

ストランディンがそう言って少しむっとしているが、事実は事実である。

「そんな事言われても、本当のことは本当のことだから仕方ないと思うんだけど…」

イダは少し困ったような顔をして、次いではぁ、と深い溜息をついた。

イダは証拠を示すように、バッグとズタ袋をその場に出してみせる。

「…ほら、ね。」

「…そう、ですね。転送の魔法も使わないで、そういうふうにものを出せるなどという

話は聞いたことがありません。例え、邪神や魔神だとしても、転移にはきちんとした

手順を踏まなければいけない、と師に聞いたことがあります」

フェーブルは、やはりまだ信じがたい、といった顔で袋を見つめていながらも

そう言ってある程度の理解を示していた。

イダはその態度は間違っていないだろう、と暫しうつむいて答えた。

「…そうなんだ。じゃあ、次はもっとわかりやすいのを見せてあげる。

冷蔵庫や畳よりはわかりやすいと思うから」

そう言って顔を上げると、彼女は手をズタ袋に突っ込んだ。

わかりやすく彼女を納得させるために。

…次に彼女が手を引きぬいた時、そこにあったのはセリ以外の七草だった。

ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。

どれもこれも、現代日本ではカブやダイコンと呼ばれるスズナ、スズシロですら、

この世界では比較的安いとはいえ貴重な山菜であり薬草である。

「―――!?」

ストランディンは絶句して、それに手を伸ばす。イダは「これでOK?」と言いながら、

彼女の武闘家らしいが少女らしくもある、拳ダコのある手に一つ一つ渡していく。

「私が知ってるものなら、なんでも出せるよ。それも、私が…前世の私が知ってた

最高の物が出てくるの」

もう能力自体を疑う余地はないだろう、と言いたげにイダはストランディンの瞳を

見据えながら言葉を紡ぐ。更に畳み掛けるように、彼女はバッグから肥後守を取り出し、

「…なんでこんな力が目覚めたのかなんて知らないけど、とりあえずあるものだから」と

少し寂しげに言った。

…次の
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