第27話 悲しみのアリス
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も、俺たちは未だに他の王女と会っていないのだが」
「え!」
門番の兵士はビックリしている。
そうなのだ、俺たちは未だに他の王女と会っていないのだ。
学園都市にきた翌日、第1王女が住む屋敷に挨拶に行ったのだが、出かけていると言われ、帰ってくる時間を聞いたのだがわからないと言われ、その日は諦めて帰り、翌日のお昼頃にもう一度訪ねたのだが、やはり留守で、前日と同じく帰ってくる時間はわからないと言われたので、そちらの都合のいい時間にお尋ねするのでその時間を教えて欲しいと門番に伝言を頼んだのだが。
「お姉さまたちはやっぱり、アリスと一緒にいるのが嫌なのかな」
先程まで笑顔だったアリスはかなり落ち込んでいる。
「……」
アリスは、姉姫たちと会うことを楽しみにしていたんだぞ。
昔1度だけ会ったことがあると言っていたが、
その時は挨拶しかしていないそうだ。
イングランドを出国する準備で忙しい時に時間を作り俺と一緒に街に出て姉姫たちに渡すプレゼントも用意していたのに
それを……
それを……!!
よくも! よくも! アリスに悲しい顔をさせたな!
ゆるさん!
「イフリート、すまないがアリスと一緒に屋敷に戻っててくれ」
「行くの?」
「ああ、途中でシヴァと合流してから行ってくる」
「わかったわ」
俺はアリスの頭をなでる。
「ちょっと、散歩に行ってくるから、イフリートと仲良く留守番しとくんだぞ」
「え、キラもどこか行っちゃうの」
アリスはギュッと俺の服の裾を握る。
「すぐに帰ってくるから、少しだけ待っててくれ」
「……うん」
不安そうなアリスに
「お土産に可愛らしいヌイグルミでも買ってくるから、いい子でいるんだぞ」
「うん」
俺はもう一度アリスの頭をなで、イフリートを見て頷く。
イフリートも俺を見て頷く。
俺は第1王女たちが住む屋敷に向かった。
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