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『八神はやて』は舞い降りた
第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第22話 もう何も怖くない
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で、ゲームの説明をしていたグレイフィアの声が響く。
 と、同時にあたりに木霊する学校のチャイム音。これが、ゲーム開始の合図となる。


 ――――レーティングゲームが幕を開けた。





「なんというか。これは予想外ね」


 レーティングゲームが、始まってから1時間弱。
 下馬評では、ライザー・フェニックスの優位が報じられていたが――あっけないほどに、リアス・グレモリーが圧倒的に優勢であった。


「勝っている分には良いではないか。グレモリー先輩とボクにとっては、負けられない試合なのだからね」

「なんだかなあ。俺たちが出る幕がなさそうだな」

「怪我がないようで、一安心です」

(烈火の将たちも、うまく援護に徹している。こちらの実力を曝す必要がなくて助かるな)





 まず、体育館の裏側から進撃していた木場祐斗たち。
 木場祐斗とシグナムの剣士タッグは、攻撃に秀でる前衛だ。
 シャマルが、そんな二人をうまくサポートするという――奇襲に長けたチームである。


「木場くん、次の廊下を右に行ったすぐに二人いるわ」

「わかりました」

「はあああああっ!」

「なっ……奇襲だと!?」


 シャマルの索敵により、一方的な奇襲を行う。


『ライザー・フェニックス様の「戦車」1名リタイア』

「後ろにいったわよ。気をつけて」

「奇襲などさせん。紫電一閃!」

「どこを狙ってやがる、次はこっちの――」


 相手の奇襲さえも、シャマルに察知される。
 シグナムの紫電一閃をかわし、余裕の笑みを浮かべる相手。
 その間隙をつき――


「――貰った!」

「しまっ――」

『ライザー・フェニックス様の「兵士」1名リタイア』

「一瞬の隙をついたよい一撃だったな」

「シグナムさんのお陰ですよ」


 シャマルが策敵を担当し、後方支援と指揮をとる。
 指示に従う木場祐斗が、素早さを活かして、敵に先制攻撃を仕掛ける。
 シグナムは、彼に合わせて、位置取りを変えつつ、敵を誘導していく。
 誘導された敵は、木場祐斗と1対1の状況に持ちこまれ、切り捨てられる。
 敵が揃う前に進撃していき――『兵士』3名、『戦車』1名を撃破した。


(木場の実力をどうみる、シグナム)

(あの合宿で腕をあげたようです。こちらも援護しやすいですし、彼は鍛えがいがあります)

(鍛練と称して模擬戦をするつもりだな?ほどほどにしておいてやれよ)





 木場悠斗は歓喜していた。
 シグナムに師事した合宿で、剣術の腕は、一つ上のレベルに到達したと断言できる。
 それほどまでに、濃密で意義のある合宿だった。
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