プロローグその5:運命との出会い(前編)なんじゃね?
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い銀色の閃光に包まれた。
アイアン・ウィルは空中で眩い光を放ちながら、物理的にあり得ないような変形をすると、自分を核として周囲に何処からともなく現れたパーツ群を彼方此方に引き寄せて合体。
出来上がったそれは俺達の世界でいう所の単気筒の2ストエンジンに良く似ている機械で、『魔導エンジン』というらしい。
その出来上がった『魔導エンジン』を主機に更に機関部と外装がガッコンガッコンと音を立てて組み付くと、アイアンウィルは工事現場で見る『エンジン式削岩機』に非常に良く似たデバイスモードへと変身を遂げた。
本人曰く、「あらゆる物を穿つ、究極の戦槍」らしいのだが「穿つ」って言葉以外まるで合ってないのなコレ……。
デバイスの変形が終えると次は俺の番。
つっても、着ていたパーカーと半ズボンの姿から、作業服をベースに前腕、両肘、両膝そして左肩にごっついプロテクタみたいな物を装着し、頭に緑色の十字マークの黄色いヘルメット、両足にごっつい安全靴、両手に白い軍手をはめた、武装系ガテンの格好に一瞬で変化するだけだが。
野郎の裸なんぞ見たくもないだろう?
それに男は飯とトイレと風呂と着替えは早くてナンボってうちの親父も言ってたし……。
≪セットアップ・コンプリィイイト!!行くぜ相棒ぉぉう!!≫
「応!!」
変身を終えアイアン・ウィルを両手に持つと、俺は魔力の循環を背中に集中。
吹き出る魔力がまるでロケットブースターの様な煌きを見せながら背中を力強く推し進め、俺は空を舞う。
―ガシャン!という音が足下で聞こえたが無視無視。
あの程度の衝撃で壊れる程、俺のチャリはヤワじゃ無ぇだろ……多分、ちょっと不安だが……。
≪あのでっかいお屋敷の庭に例のブツがあるみてぇだぞ≫
「あそこが月村さんとか言う子の家か」
上空から見下ろした先に、周囲に比べても抜きん出て広い敷地を持つ屋敷が眼に入り、俺は少し唖然とする。
広い広いとは思っていたがそれにしたって広すぎだろ、つーか日本人の住む家じゃなくね?
≪世界は埋まらない格差で出来てんだよ……んな事より気をつけろぉ相棒、何だかちょいっと様子が変だぞぉい≫
「何がだ?」
突然不吉な事を言い放ったアイアン・ウィルに俺はそう尋ねた。
コイツは腐ってもデバイスとやらで『機械』なのだ、ソイツが何かを察知したという事は、ほぼ確実に何らかのイレギュラーが発生している事を示唆している。
≪何だかしらねぇーが、あの娘っこの他に魔導師の反応が一つ、デバイスなんかも持っていやがるぜ≫
「啓太じゃ無ぇのか?」
≪違わい、ポンコツ野郎なら結界の外だ、データァルィンクも受け付けねぇから確実だ≫
「お前ら兄弟みたいなモンだもんな」
≪ケッ!やめてくれ
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