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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第10話「私、初めての実戦」
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眠らせたはずの者たちも、短刀で首を切られ絶命していたが、
そちらはおそらく盗賊の頭が証拠隠滅のために殺したのだろう。
証言者になるものがいないため、説明に時間ががかるかな、とリックたちは思ったが、
そうなることはなかった。理由はとても簡単だ。
警備兵たちの中にストランディンとフェーブルを知っているものがいたからである。
彼女たちが貴族の娘と知る警備兵のおかげで、話はスムーズに済んだ。
結果として盗賊たちの襲撃は、事を荒立てないために
「お忍びでの旅中に偶然襲われた」ということになったのだった。
警備兵たちは「おそらく、ココらへんで活動している盗賊団でしょう」と言って、
「少ないですが報奨金が出ています。街の詰所で受け取ってください」とイダに
ヘリク銀貨が幾らか支払われることを告げると、人足を集めに中継点へと戻っていった。
後は死体を警備兵たちに引き取ってもらい、
手続きを終えて町中に入り今に至るというわけだ。
冒険者の中継点は、中継点とはいえウヴァの街からここを経由してヒルギガースへ向かう
南方の迂回路を目指す人々、北方方面へ向かう人々にとっては貴重な補給地のため、
ほぼ街と読んでいいほどに栄えている。
遣いの森外縁部に出る希少な食用モンスターの捕獲任務を受けた
冒険者達の中継点ともあり、市場には辺境には似合わない活気がある。
冒険者と思しき荒くれ者が目に付くが、喧騒は中規模の街と変わりない。
冒険者が多い分は、警備兵も多く配備されていて、それが治安の悪化を防いでいるのだ。
「…」
イダはその中で、一人押し黙っていた。
「大丈夫かにゃ?」
グウェンの心配そうな声に、「うん、少しこわかっただけ」と言ってまた押し黙る。
ストランディンとフェーブルも、あのバッグのことを聞こうとは思っていたが、
イダの様子に少し聞きそびれていた。
…人殺しをした自分やグウェンに対してショックを受けたのだろうか、
とリックは少し思ったがすぐに考えを改めていた。
―――うちの娘は、どうしようもないことは考えない方がいいと知っているからだ、と。
…それは事実である。彼女は事実、仕方ないものは仕方ないと諦めていた。
戦わなければ死ぬ。手加減すれば後ろから撃たれる。
途上国での旅行でかなりそれを思い知っていたつくしは、もうその件は忘れている。
なら、なぜ押し黙っているかというと…
「まあ、ごく最近まで冒険者の修行とかしてなかったからにゃあ」
…グウェンが語る自分の境遇を利用して、黙って『人が死ぬのを見た』ことにショックを
受けたということで落ち込んだ風にしていれば、
バッ
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