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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第10話「私、初めての実戦」
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、こいつの命が惜しければ、こっちへ来な。ご息女様」
嘲るように言う。
「暗殺者…!?」
イダの絞るような声に、盗賊の頭は「崩れ、だがな。そこのお嬢さんが来れば、
今度の依頼は完了だ。妹の命と天秤にかければ簡単だろう?さあ、こっちへ来るんだ」
と嗤う。イダが怒りの声をあげようとすると、ストラが手甲を外して、
盗賊の頭の方へと歩いていこうとする。マズイ、絶対にまずい。
「私がそっちに行けば…フェーブルのことは離すんだな!?」
ストランディンがそんなテンプレ通りのセリフを言う。
頭も「約束しよう」と同じようにテンプレ通りに返した。
…アホか。イダは心の中で一人突っ込んだ。
守るわけ無いだろ、と言葉にする代わりに、バッグを構える。
「それでどうするつもりだ?言っておくが、そこから何を出そうが、私は避けるぞ?
これだけ離れて出てくるのがわかっている。しかもあの程度の速さなら、造作も無くな。
むしろこのお嬢さんにあたってしまうのではないかね?」
頭はそう言ってフェーブルを掴んだ腕に力を入れる。
「うぐっ…」
フェーブルを引き寄せ、そして手の短刀を彼女の首に押し付ける。
「さあ、無駄なことはせずにこちらへ来るんだ」
距離は5mもない。その距離が遠い。後ろの喧騒は収まりつつある。
父が来るまでどうやって時間稼ぎをするか。イダは逡巡する。
その時、ふと声が聞こえた。
『…こういう時こそ、俺達の力を借りようぜ』
銀のペンダントから聞こえるキカの声。そうか、その手があったか!
確かに、彼ら以外の精霊に命じることはできないかもしれない。だけど!
『光の精霊よ!闇を払う矢となれ!お願い、オー!!』
精霊語で呼びかける。銀のペンダントの中央のベリドットが光り輝く。
ベリドットは太陽の宝石と言われる宝石で、
この世界では光の精霊を宿らせることが出来る。
イダはまだ全く知らないことだが、しかしそれは確かに答えてくれた。
体から何かが奪われるような感覚とともに、それは起きる。
「ぐぅっ!?」
カッ、と凄まじい閃光がしたと思うと、光の矢が盗賊の腕に刺さっている。
初歩の精霊魔術の「光の矢(ライトアロー)」だ。
閃光と同時に少威力の光の矢が飛ぶ魔術である。
魔素魔法にも同じく光の矢を飛ばす「魔の矢(マジックアロー)」というものがあり、
使うことも出来るフェーブルは目をつむり、閃光を回避していた。
盗賊はそれを予想できず、閃光と痛みに目が眩む。
それを見逃すことなく、イダは続けて叫んだ。
『鉄と石の精霊よ!我が敵を叩け!!キカ!』
その言葉とともに、石が三つ飛ぶ
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