暁 〜小説投稿サイト〜
アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第10話「私、初めての実戦」
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、こいつの命が惜しければ、こっちへ来な。ご息女様」

嘲るように言う。

「暗殺者…!?」

イダの絞るような声に、盗賊の頭は「崩れ、だがな。そこのお嬢さんが来れば、

今度の依頼は完了だ。妹の命と天秤にかければ簡単だろう?さあ、こっちへ来るんだ」

と嗤う。イダが怒りの声をあげようとすると、ストラが手甲を外して、

盗賊の頭の方へと歩いていこうとする。マズイ、絶対にまずい。

「私がそっちに行けば…フェーブルのことは離すんだな!?」

ストランディンがそんなテンプレ通りのセリフを言う。

頭も「約束しよう」と同じようにテンプレ通りに返した。

…アホか。イダは心の中で一人突っ込んだ。

守るわけ無いだろ、と言葉にする代わりに、バッグを構える。

「それでどうするつもりだ?言っておくが、そこから何を出そうが、私は避けるぞ?

これだけ離れて出てくるのがわかっている。しかもあの程度の速さなら、造作も無くな。

むしろこのお嬢さんにあたってしまうのではないかね?」

頭はそう言ってフェーブルを掴んだ腕に力を入れる。

「うぐっ…」

フェーブルを引き寄せ、そして手の短刀を彼女の首に押し付ける。

「さあ、無駄なことはせずにこちらへ来るんだ」

距離は5mもない。その距離が遠い。後ろの喧騒は収まりつつある。

父が来るまでどうやって時間稼ぎをするか。イダは逡巡する。

その時、ふと声が聞こえた。

『…こういう時こそ、俺達の力を借りようぜ』

銀のペンダントから聞こえるキカの声。そうか、その手があったか!

確かに、彼ら以外の精霊に命じることはできないかもしれない。だけど!

『光の精霊よ!闇を払う矢となれ!お願い、オー!!』

精霊語で呼びかける。銀のペンダントの中央のベリドットが光り輝く。

ベリドットは太陽の宝石と言われる宝石で、

この世界では光の精霊を宿らせることが出来る。

イダはまだ全く知らないことだが、しかしそれは確かに答えてくれた。

体から何かが奪われるような感覚とともに、それは起きる。

「ぐぅっ!?」

カッ、と凄まじい閃光がしたと思うと、光の矢が盗賊の腕に刺さっている。

初歩の精霊魔術の「光の矢(ライトアロー)」だ。

閃光と同時に少威力の光の矢が飛ぶ魔術である。

魔素魔法にも同じく光の矢を飛ばす「魔の矢(マジックアロー)」というものがあり、

使うことも出来るフェーブルは目をつむり、閃光を回避していた。

盗賊はそれを予想できず、閃光と痛みに目が眩む。

それを見逃すことなく、イダは続けて叫んだ。

『鉄と石の精霊よ!我が敵を叩け!!キカ!』

その言葉とともに、石が三つ飛ぶ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ