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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第9話「私、お嬢さんに出会う」
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やく。

イダは久しぶりの人の街…イダとしては数年、つくしとしては15年ぶりの街の匂いに

高揚感が隠せていなかった。

「よしっ!きたきたきたきた!街にきたっ!」

無駄に叫んで、グウェンに「意外とアホにゃあ」と呆れられている。

「はしゃぐのはいいけど、もう少し落ち着くにゃ。すっ転んでも知らないにゃ。にぇえ?」

「そうですね…急いては事を仕損じる、といいますし」

グウェンとフェーブルに窘められるが、それでもイダは止まらない。

ストランディンに「屋台行こう屋台!」と叫んで手を掴んで引っ張っていく。

「ちょ…ちょ待って!?ありえないんですけど!?」

「シュレディンガーの猫が居る限り、ありえないという言葉は存在しなあい!」

そのまま、イダは彼女を引っ張って、中継点へと突っ走っていく。

突っ走っていく、と思われたが…

「そこまでだ。ここは通行止めだぞ、お嬢さんたち」

…聞き覚えのある声が聞こえ、周りに気配が増えた。

「この声…ッ!まさか、私をさらったヤツらの親玉!?」

イダは驚いてリックの方へと走ろうとするが、間に盗賊が現れ妨害されてしまう。

「ちっ…何なのよ、一体!今度も私狙い!?帰れ、ロリコン!」

怒りの声を聞き流し、盗賊は嗤う。

「いや、今日はお前が狙いではない。あの仕事は違約金を払って解約させてもらった。

さすがに割に合わなさすぎるのでね」

クック、と笑って「さあ、そこのお嬢さんを引き渡してもらおうか」と言った。

「にゃるほどにゃあ。五人くらいいた、ってイダが言ってたにょに、二人捕まえて、

二人死んでたからにゃあ…足りないと思ってたら、そういうこと」

グウェンが短刀を構えて突破の構えを見せる。リックも同様だ。

いや、リックの顔にはグウェンに宿る冷静さはない。

怒髪天を衝く、とはこのことだろう。その形相は鬼もかくやとばかりだ。

イダが後に、「マジビビった。あんな顔のおとっつぁん見たこと無いっす」と

述懐するほどの怒り面であった。

「そうか…お前が俺の大事な娘を拐かした重罪人か!」

憤怒の声を上げる父親に、盗賊たちは気圧された。しかし、長だけは異なり、

「だからどうした。俺は依頼を受けただけだ。文句は依頼主にいえ」と居丈高に嘯いている。

「なら仕方ない。グウェン!逃がすなよ!絶対に口を割らせてやる!

イダ、お前はお嬢さんたちを守れ!出来るな!」

リックはそう叫んで走りだした。そして、魔素魔導師であるというフェーブルが

マナに働きかける言葉を紡ぎ始める。

「よしっ!突破するよ、イダちゃん!」

「おっけー!ちょっとすごいの出すけどびっくりしないでねッ!」
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