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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第8話「私、向かう」
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女はひらりと躱す。
今日も今日とて、特訓は続いていた…
そして、翌日。グウェンとの特訓を終え、二人で宿に戻るとリックが旅装を始めていた。
「あ、そっか。今日からドライベールさんのところへ行くんだね」
あ、そうだったそうだった、と軽くいうイダにリックはバックパックを一つ渡して
「何を言ってるんだ。お前も来るんだぞ。昨日、夕飯の時に話したじゃないか」
リックの言葉をイダはしばし反芻する。そういえば、というかなんというか…
最近、疲れもあって人の話を聞いていないことが多くなったな、と思い即座に
「ごめん!忘れてた!!すぐ着替えてくる!!」と叫んで二階へ駈け出したのだった。
間抜けにゃあ、とグウェンがこぼした言葉は彼女には聞こえなかったのは幸いだったか。
―――して、十数分。で彼女は旅装となる長ズボンや外套、その他諸々を着けて
下へと戻ってきていた。十数分で、と言われるかもしれないが、彼女は女性としては
珍しいほど着替えに時間をかけない。それが罪であるかのように早く着替える。
おまたせ、と言って彼女はスゥハァと息を整えた。
「よし。なら行くぞ。ヴァレリー、帰りはおそらく2週間ほど後だ。後を頼む」
「はい貴方。いってらっしゃい」
リックが踵を返してそう言うと、ヴァレリーはにっこり微笑んでその背を見送る。
「ほら、イダちゃんも早く」
「あ、うん」
母に促され、父とともにドアをくぐる。ああ、なんというか、こう。
彼女は後に少し後悔する。勿論、母親が死んだとか、そういう話は一切ないのだが…
とにかく、これが彼女が最初に巻き込まれる騒動…いや、クエストの端緒。
つくしにとっては面倒臭く、そして宿の娘イダにとっては義務感を感じる。
そんな出来事の端緒であった。
森を歩く。ついついついつい、と足早に。森を歩くのは、リックもイダも慣れている。
イダは生まれた時から森で生きているのだ。その歩き方は心得ている。
その後ろを警戒しながら、グウェンがとことこと歩いている。
「…なんでついてきてんのよ、グウェン」
「そりゃあ面白そうだからにゃ☆」
心底楽しそうにイダの背中に顔を擦り付ける桃色のグランスランナーは笑う。
「ほぉらぁ。おみゃあ、前言ってたでしょうにゃーピンクは淫乱、ってぇ」
背中に擦りつけていた顔だけではなく、彼女のお尻までグウェンはなぜ始める。
「この…」とイダがいうか言わないか、リックが手に持っていた小石をグウェンの頭目掛け
かなりの速度でぶち当てた。
「ギャンっ!?」
「うちの娘に卑猥なことするんじゃない」
リックの辛辣な一言を受けながら、グウェ
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